「私の手には負えないから」と病院をたらい回しに…コロナワクチン後遺症の「美人コスプレイヤー」が医師への不満を募らせる理由

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コスプレが生きがい

――まひさんは秋田でコスプレイヤーとしても活動し、イベントにも参加されています。

まひ:高校3年生、18歳の時、友達がボカロ(注:「初音ミク」などのボーカロイドのこと)好きだったので、私が鏡音リン、友達はレンのコスプレをして一緒に地元のお祭りに行ったのがコスプレの始まりです。本格的に始めたのは地元の調理師の専門学校に行ったときで、そこで出会った友達がコスプレをしていて、私も熱が入って一緒に県内のイベントに参加するようになりました。

――もともと、アニメや漫画などはお好きだったのですか。

まひ:小学校の時からゲーム好きで、特に「ポケモン」が凄く好きでしたね。高校生の時に「ニコニコ動画」にはまって、ニコ生主をやったり、“歌ってみた”の動画を投稿したりしたこともあります。あと、仕事の1時間の休憩中に、ヒトカラに行くくらいカラオケも好きでした。最近は体調が悪くてゲームもできていないのですが……。

――そんなまひさんにとって、コスプレはどのようなものですか。

まひ:生きがいですね。自分ではない誰かになれる。現実から離れられる。コスプレのおかげで生きているって感じです。コスプレに対する思いは、ワクチンを打って、具合が悪くなってから強くなりましたね。元気だったころはカラオケが趣味でしたが、病気になってからやれることがなくなった。2022年の頃は何もできず、家でアニメをなんとなく見ている日常を送っていたのですが、学生時代にコスプレをしていたことを思い出して、衣装を着てみたら、しっくりときたんです。それに、コスプレをやっていたら後遺症の症状が忘れられる。その間だけ痛みが緩和する、と思ったんです。

――コスプレがもつ力は凄いですね。

まひ:そう気づいてから、少し体調がいいときにコスプレをやってみようと思いました。コスプレを再開してから、だいぶ前向きになりました。アニメも見たいし、イベントに行きたいし……夢も大きくなりましたね。私はコスプレを仕事にしなくても、誰かのために役立てるような活動をしたい。例えば、自分の地域を活性化したいと思ったときに、公式キャラを作って公認レイヤーになったりとかね。イベントでコスプレもできるし、一石二鳥じゃん、と。とにかく、コスプレをしているときは生きている実感が得られて、前向きになれるのです。

――素晴らしいですね。まひさんは今年に入ってから、県内のイベントにたくさん参加され、コスプレを通じて交流を図っています。

まひ:相変わらず体調が悪い日が続いていますが、コスプレは家でもできるし、これからも少しずつ画像をUPしていきたいですね。今は、「2か月後にあなた死にますよ」と言われても、だったらイベントに行ってコスプレでもしておこうかなと思える。一度死にかけたくらいだから、今やろうと思ったことをどんどんやっていこうと考えています。

――ずっと落ち込んでいたまひさんの心を変えたのが、コスプレなのですね。ちなみに、好きなキャラを教えていただけますか。

まひ:「原神」のナヒーダみたいな幼女や、ショタ系のキャラが好きかもしれない。あと、「SPY×FAMILY」のアーニャは一番コスプレをしているし、周りからも好評でしたね。8月に秋田市内でコスプレのイベントがあるのですが、ここでも私がアーニャをやって、友達がヨルさんをやる予定です。今、その日に向けて頑張って準備をしているところです。行けるかどうかは体調次第ですが……、でも、コスプレをしていると本当に別人になったような気持ちになれるんです。後遺症を忘れられるコスプレが、今は一番の楽しみですね。

――最後に、まひさんの現在のワクチン後遺症の症状を教えてください。

まひ:東洋医学的には血虚と言うそうで、血のエネルギーが常に足りない状態になっています。大学病院でも、麻酔科の先生から「こんなに身体が硬直している根本の理由がわからない」と毎度言われていて、県外の病院へ行くことを勧められています。やはり睡眠は相変わらず大変で、顔面硬直がひどくなっていますね。最近は左の三叉神経が痛くなることが多く、毎日痛み止めばかり飲んでいて、やばいなぁ……と。思考力低下もひどくてぼーっとしていることが多く、耳も聴こえ方がおかしくなったり、聴こえなくなったりすることもあって、まさに神経系全般がやられている感じです。

――大変ななか、インタビューに回答いただきありがとうございました。

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