元”練習生”がK-1現役チャンピオンから「人間サンドバッグ扱いされ、顎と鼻の骨を折られた」と警察に被害届 王者は「練習中の事故」と反論

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1週間入院、全治1カ月の大怪我を負ったAさん

 だが、この時ばかりは顔の腫れは一向にひかなかった。3日経っても激痛が続き夜も寝られない状態で、近所の歯科医から紹介された総合病院で診てもらうと、顎が骨折していた。後に鼻の骨も折れていたことも判明した。

 下記は警察にも提出された診断書だ。

〈傷病名 右側下顎角部、左側下顎前歯部骨体部骨折

付記 2021年10月4日にキックボクシングの練習中に、相手の蹴りが顔面に直撃し受傷。10月7日疾痛改善せずかかりつけ歯科受診し、10月8日に当院紹介され初診した。手術を目的に10月11日入院し、12日に全身麻酔下にて両側下顎骨骨折観血的整復固定術を施行した。症状軽快にて10月20日に退院。以後は外来にて経過観察。全治約1カ月を要した〉

 1週間入院し、顎をプレートで固定させる手術を受けなければならないほどの大怪我だった。

 だが、それを金子に報告しても意に介さない様子で「そのくらいの衝撃はあったろうな」と答えただけだったという。そして退院後も地獄のような「練習」は再開されたと続ける。

「あんなのは練習ではありません。最終的には彼のストレス解消の捌け口にさせられました。金子は容赦無く、プレートの入ったままの顎を殴り蹴り続けた。今もこの通り鼻と耳は潰れ、顔は浮腫んだたままです」

金子の反論

 昨年末、金子と袂を分かち親元に帰ってきたAさんは親にすべてを打ち明けた。そして、事件のあった場所を管轄する千葉県警習志野警察署に被害を申告したのである。

 8月中に金子に任意の事情聴取は行われ、近く県警は書類送検する予定だ。今後、検察庁が起訴か不起訴か判断することになる。

 金子はどう答えるか。21日、トレーニング施設から出てきたところを直撃すると、警察の事情聴取を受けていることを認め「故意に怪我させたわけではなく、練習中の事故だった」と話した。

「警察にも話しましたが、僕には練習中に彼が怪我を負って病院に行った記憶しかありません。3年くらい前のことですから。彼は、うずくまっているところを私が下から蹴り上げたと話しているようですが、そんなことは格闘技では反則なので絶対にしません。なぜ古い話が突然蒸し返されたかわからない。実際、彼はしばらくすると戻ってきてその後も良好な関係のまま、一緒に練習をしていたのです。ただ結果として怪我をさせたことについては申し訳ないと思っています」

 実力差があるのに、なぜ怪我を負わせかねない8オンスのグローブで、しかも公園内で2人きりのスパーリング練習をしたのかという質問には、

「8オンスグローブでやる練習は、一緒にジムで練習していた時から2人でしていました。彼はアマと言っているようですがプロに上がってもおかしくないくらいの実力がありました。階級も私より3階級上です。彼も格闘技をやっていた以上、怪我するリスクを理解していた上で一緒に練習していたはずです」

 Aさんが提供した「暴行後の自撮り画像」を見せても、

「彼は他のジムにも通っていたので、他で負った傷だと思う」「私は彼を傷つける目的で一緒に練習をしたことなど一度もありません」などと否定した。

 そして、こう繰り返すのであった。

「3年も前の話を突然引っ張り出されて、突然、警察に被害を訴えられて非常に戸惑っています」

 確かにAさんには、なぜ怪我した後に被害を訴え出ず、2年以上も行動を共にした後になって被害を訴え出したのかという疑問が残る。

後編では、事件後も「暴力で支配され洗脳させられていた」「日払いで稼いだ金を上納させられました」と訴えるAさんの主張、それに対する金子の反論を双方の「証拠LINE・動画」と共に伝える。

※この記事のなかで、今回の報道と無関係な方の情報が掲載されていました。記事作成時に確認が行き届かず、ご迷惑をお掛けしてしまったことをお詫び申し上げます。

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