松田優作が遺作台本を片手に漏らした“本音”とは… 行きつけの温泉宿「水香園」女将が明かした素顔

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「いつもと様子が違って…」

 遺作となった映画「ブラック・レイン」の撮影前にも、台本を持ち、一人訪れたそうだ。

「いつもと様子が違ったんです。『河鹿』のお部屋から出てこないし、口数も少なく、すごく痩せたので、大きな役に取り組んでいるのかなと思いました。でも、何かおかしくて、『大丈夫ですか?』と尋ねましたら、『調子悪いんだよ。体が痛くてさ』とおっしゃって、『痛くて』と繰り返し、何度も温泉に入っていました」

 これが定宿「水香園」を訪れた最後になった。

山崎まゆみ(やまざきまゆみ)
温泉エッセイスト。1970年新潟県生まれ。跡見学園女子大学兼任講師(観光温泉学)。内閣府「クールジャパン・アカデミアフォーラム」や国交省、観光庁の観光政策会議に有識者として参画。9月6日『ひとり温泉 おいしいごはん』(河出文庫)発売。

週刊新潮 2024年8月15・22日号掲載

特別読物「宿帳が語る『スター』“裸”の素顔」より

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