「吉永小百合さんのシルクの下着がぼろぼろに」 樹木希林と温泉宿ではしゃいだ夜…撮影地のスナックママが追憶
「下着がぼろぼろに」
映画の冒頭、スキー場で着物姿の芸者たちがスキーをする場面がある。
「撮影日は寒く、希林さんは足袋にカイロを入れていたわ。着物の下に洋服を着て、はいているパッチ(ももひき)を、わざわざ私に見せてくれました。そのパッチは男性もので、『社会の窓』を縫ったんだって(笑)」(同)
湯村温泉の住民は、源泉「荒湯(あらゆ)」から湧き出る温泉で洗濯をする。撮影の合間にその様子を見ていた樹木と吉永は「荒湯で洗濯をしてみたい」と言い始めた、と話す佐智子ママによると、
「希林さんが『(娘の)也哉子ちゃんのズック(靴)を洗いたい』とおっしゃるんで、夜中なら誰もいないと思って、スナックの営業時間を終えて、零時半くらいから三人で洗濯しに行きました。希林さんにはブラシを貸してあげたんですよ。小百合さんも岩の上でごしごし洗っておられたんですが、しばらくして『こんなにぼろぼろになったわ~』って、シルクの下着を見せてくださったの。希林さんと私は顔を見合わせて大笑い。三人できゃっきゃっと大騒ぎ。滞在は30分くらいやったかな……、『荒湯』は地熱で温かいから、深夜でも全然寒くないからね」
温泉はいつだって、人の心を開かせる。