「“オータニ基金”設立は喫緊の課題」「節税にもなる」 大谷翔平が“MVP級の名誉賞”を受賞する可能性も

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基金設立は喫緊の課題

 もっとも、年俸が低いと基金の運営費等がかさむため節税のうまみはなく、鈴村氏によると年俸約50億円が採算ラインだという。

 大谷は年俸7000万ドル(約100億円)だが、その97%を10年後に受け取る契約ゆえ、節税の必要はなさそうに思われる。しかし、メジャー研究家の友成那智氏によると、

「CM契約など球場外収入は70~80億円に及ぶとされ、“オータニ基金”の設立は喫緊の課題といえそうです」

 基金を設立したら、大谷はどのような社会貢献を行うつもりなのか。

「日本でのグローブ寄贈は米国での節税にはなりませんが、彼の野球への情熱を感じます。米国も野球離れは深刻ですから、あちらでも野球人口を増やす活動を行うのでは? また、留学支援から察するに、野球に限らず、さまざまな分野で日米の懸け橋となる人材を増やそうと考えているように思います」(鈴村氏)

MVPに劣らぬ名誉ある賞

 メジャーには、「ロベルト・クレメンテ賞」という賞がある。12年連続でゴールドグラブ賞に選出され、“史上最高の右翼手”といわれるクレメンテは、ニカラグア大地震の際、チャーター機で救援物資を運ぶ途中に墜落死した。そんな彼の名を冠した同賞は、慈善活動を行った選手に贈られるが、

「あまたの賞があるメジャーでも、MVPに劣らぬ名誉ある賞です。大谷選手が高額の寄付を長い間続けたら、受賞する可能性は大いにあります」(同)

 賞のために行動する男ではないが、ファンにとっては楽しみが増えるかも。

週刊新潮 2024年8月15・22日号掲載

ワイド特集「人生は夏の影法師」より

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