高市早苗氏から「安倍シンパ」が急速に離れたワケ 「前回の総裁選後、お礼やねぎらいの言葉はナシ」

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保守票の食い合い

 だが、安倍元首相が率いてきた旧安倍派は、裏金問題で解散の憂き目に遭ったのはご存じの通りである。

 ジャーナリストの鈴木哲夫氏の解説によれば、

「高市さんが出馬する際の壁は推薦人集めでしょう。安倍さんが生きていた頃は“安倍さんに近い”といわれていたので、本来だったら旧安倍派の保守系議員が推薦人に名を連ねてもいいはずでした。ところが、保守派の若手議員の間では、高市さんに対するアレルギーが結構あるんです」

 実際、前回は高市氏の推薦人だったコバホークこと小林鷹之氏(49)は、今回自ら立候補。保守票の食い合いが起きてしまっている。

 高市氏を応援する前出の小林氏に聞くと、

「推薦人集めについては、まだ始めたばかりじゃないでしょうか。どのくらいのめどがついているか分かりませんが、安倍さんの路線を継続、今よりも保守路線に修正してほしいという声が党内にあるのは事実なので、支持する人は決して少なくないと思います」

お礼や、世話になった人間との会合もなく……

 とはいえ、前回の総裁選で高市氏に熱烈な支援を行った“安倍シンパ”の中でも、不評を買っているというのだ。

 党所属のさる国会議員が明かすには、

「前回の総裁選が終わった後、高市さんから直接お礼やねぎらいの言葉を頂けませんでした。私よりも熱心に支援した同僚議員へも、フォローがなかったそうです。お世話になった人との会合を開くこともなく、そのせいで高市さんから離れてしまったという話も聞きますね」

 持ち前の朗らかさもあって、右も左もイデオロギー問わず、会えばファンになったという逸話も多々聞かれた安倍元首相。故人から高市氏へと継承されていないものが、まだまだありそうな様子なのだ。

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週刊新潮 2024年8月29日号掲載

特集「本命なき自民党総裁選の大暗闘」より

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