今になって「岸田人気が大爆発」という時空の歪んだスポットとは

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 岸田総理が次期総裁選不出馬を表明――。14日の昼前に報道各社が速報を打ち、その直後に官邸で記者会見が開かれた。いつもの口調で淡々と、この3年間を振り返った岸田総理。デフレ脱却、賃上げ促進、原発再稼働、少子化対策、防衛力強化、G7広島サミット……業績を自賛しつつも政治とカネの問題で国民の不信を招いたとして、「私が身を引くことでけじめをつける」と述べた。

 当人の言葉は奇麗だが、実情は誰もが知る通り「不人気だから辞めざるを得なくなった」ということに尽きるだろう。もっとも、世間や党内の不人気をよそに、目下、岸田人気が爆発しているスポットが存在する。時空が歪(ゆが)んでいるかのようなその場所とは、議事堂のすぐ脇、国会見学のバス駐車場にある「国会みやげ」のお店だ。

「不出馬の会見があって以降、岸田さんグッズが飛ぶように売れています」

 と言う店員さん。取材に訪ねた時も、客が入れ代わり立ち代わり。関西から来た親子はこんな会話をしていた。

 子供「うーん岸田さん饅頭とクッキー、どっちがいいかな」

 母親「岸田さん終わりなんやから、記念やし、どっちも買うてええよ」

 かくしてお饅頭とクッキーの両方、さらに歴代総理の肖像画入りクリアファイルをお買い上げ。このほか、ボールペンやらハンカチ、ライターなどの「岸田印」商品もあるが、普段は買わない観光バスの運転手までもが、五つ六つと岸田さんグッズを買っていくという。

「みなさんネタとして買ってらっしゃるみたい。限定品の東京みやげにはちょうどいいのかな」(店員)。

 ちなみに並んでいた商品の賞味期限は、饅頭が10月26日、クッキーは来年1月29日。本人よりずっと長持ちするのであった。

撮影・福田正紀/西村 純

週刊新潮 2024年8月29日号掲載

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