キリン、アサヒの「天然水」の安全性は!?  飲料メーカーに“発がん性物質”PFASへの対策を尋ねた結果

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大手2社の回答は……

 いくつか例を紹介すると、「霧島天然水 のむシリカ」など5商品が「三ツ星」評価となった。「のむシリカ」製造元であるQvou社の回答によれば、PFASの検査を実施し、1リットルあたり2.5ナノグラム未満という結果だったというから、ほとんどPFASが出てこなかったと推定できる。

 「アサヒ おいしい水 天然水 富士山」「富士山のバナジウム天然水」などで知られるアサヒ飲料の商品はどれも「二ツ星」評価となった。国が暫定目標値として定める値の10分の1以下という結果である。

 そして「キリン 自然が磨いた天然水」などを販売するキリンホールディングスの商品はどれも「一ツ星」評価となった。同社から寄せられた回答は、

〈当社水商品については、採水地の水質を検査しています。検査の結果、有機フッ素化合物(PFOS+PFOA)の値が水道法の水質管理目標設定項目の目標値(暫定)以下であることを確認していますが、詳細数値につきましては非開示とさせて頂きます。〉

 PFAS問題に詳しい科学ジャーナリストの植田武智氏が言う。

「日本の水道水における『暫定目標値』である1リットルあたり50ナノグラム未満と回答した企業が多い印象ですが、この回答だけでは安心できないと思います。ここでいう『暫定目標値』は、この値未満であれば大丈夫、健康に影響がないと断言できる数値ではありません。この値以下でも長期的に摂取した場合などには、健康へのいろいろな影響が懸念されるが、未だに基準値として落とし込めるほどの根拠がないという意味で、現状の『暫定値』となっているだけなのです」

 「二ツ星」「一ツ星」だけでは安心はできないのだという。

 その他、星がつかなかった要注意商品や、気になる「い・ろ・は・す」や「サントリー天然水」などの評価も含め、今回質した46本分の全回答は、有料版の記事「ミネラルウォーターでも発覚“発がん性物質”「PFAS」 安全な商品は一体どれ!? 主要ブランド46本に質した全回答」で詳報している。

デイリー新潮編集部

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