「悠仁さまの受験を見越した制度」 本命・東大農学部への合格に“死角なし”の理由を専門家が解説

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「テストの成績より書類や面接が重視される傾向」

 一方、年明けの“最終関門”ともいえる共通テストについて東大は、

〈大学入学共通テストの成績のみを重視することは考えておらず、また、成績の利用方法としても、1点刻みではなく、入学後の学修を円滑に行い得る基礎学力を有しているかどうかを判定する〉

 そううたっており、

〈おおむね8割以上の得点であるかどうかを目安として判断する〉

 としている。すなわち、1000点満点で800点というラインが「絶対条件」ではないというわけだ。

 大学受験塾「Y-SAPIX」によれば、

「過去に東大の学校推薦型に合格した私どもの生徒のケースでは、共通テストの成績よりも、提出した書類や面接のほうが重視されているといった傾向を感じました」(教務部)

 またAO・推薦入試対策に特化し、直近5年で東大に24人の合格者を出している「ルークス志塾」の嶺井祐輝代表も、

「農学部の入試では、入学後にどのような研究をし、その知識を社会にどう還元するかが問われます」

 そう前置きしながら、

「そもそも東大の一般入試を受けるような生徒は、共通テストで得点9割を目指しています。8割は高校課程の基礎ができていれば取れる点数です。うちの塾からは7割5分で推薦入試に合格した生徒もいる。東大はあくまで受験生を“総合的”に見ているのです」

 まさしく、悠仁さまに“死角なし”なのだ。

「不合格にするという選択肢はない」

 とはいえ、一流の学者との論文執筆や国際学会への参加など、一般的な高校生にはおよそ縁遠い世界である。精神科医で受験アドバイザーの和田秀樹氏が言う。

「東大の推薦入試は、募集人員が全体で100人。一般入試とは異なるタイプの少人数の学生を入れることで大学が活性化する可能性もあり、悠仁さまの“皇室経験”もまた、ユニークな経歴といえるでしょう」

 それでも、

「論文や学会発表の実績を求めるのはどうかと思います。恵まれた家庭環境であれば、例えば親御さんが雇った学者に論文を書かせて学会発表をすることも可能でしょうが、常識的には高校生が学会に出席する機会などありません。数学オリンピックのように本人の実力が評価できるものであればよいのですが……」

 さらに続けて、

「学校推薦型入試は高校の先生の評価も加味されます。内申書には学力だけでなく、学習意欲や態度といった先生の主観も反映され、特に悠仁さまのようなお立場であれば、高校側は配慮せざるを得ない。ご本人が希望なされば高校は推薦するでしょうし、大学側にとっても、不合格にするという選択肢はないのです」

 そう指摘するのだ。

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