“記憶”が苦手な人はやるべき… 現役東大生が選んだ「本当に使える勉強法」2つ

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正の字勉強法

 正の字勉強法は、ノートや単語帳に、解けなかったものやわからなかったものに対して「正」の字を書き加えていく勉強法です。暗記の勉強が苦手な人や、どうしても覚えられない単語がある人、そして「忘れっぽい人」におすすめです。

 おもに、英単語の勉強や用語の暗記勉強など、くり返し復習することで記憶が定着していくものを勉強するときに用いるのが一般的です。「正」の字が増えるということは、もっと復習する必要があるということです。その際、どの単語が答えられなかったのか、解けなかったものはどれなのかが一目瞭然でわかるので効果的です。

「何回忘れたか」をカウントすることに意味がある暗記でつらいのは、あまり「積み上がった」ように感じ取れないところにあると思います。一度しっかり覚えても、忘れてしまうことってよくありますよね。だからこそ復習が大事です。先週もやった勉強を、今週もやらなければ覚えられるようになりません。

 でもそれがほかの勉強に比べて、足踏みしているように感じる人も多いと思います。本当は、何回も「忘れては覚え直す」をくり返すことで、定着していきます。1回では覚えられないから、何度もくり返す必要がある。

 だから実は、1回覚えて忘れたのと、5回覚えて忘れたのとでは、意味合いが全然違います。よく、5~7回は忘れている状態だと忘れなくなっている、といわれます、ですから、5~7回はガッツが必要で、同じ「忘れている」でも、このガッツを持って実践するかどうかは全然違います。そういうときに効果を発揮するのが、正の字勉強法なのです。

 この方法なら、「何回忘れたか」をカウントできます。そして、これにはきちんとした意味があります。いま、自分が何回目なのかをチェックすることで、暗記の勉強が「しっかり前に進んでいる」という感覚が得られて、モチベーションが維持できるのです。

 ある程度学習が進んだらノートに正の字が書けるスペースをつくりましょう。見返す頻度としては1日1回くらいで行うとよいでしょう。また、正の字が多かったものだけを抜き出して、別のリストをつくるのも有効です。

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 この記事の前編では、同じく『勉強法図鑑』(TAC出版)より、「メモリーツリー勉強法」と「一問一答勉強法」という、最近勉強を始めたばかりの人にオススメな勉強法を紹介している。

『勉強法図鑑』(西岡壱誠と東大カルペ・ディエムの共著、TAC出版)

書籍を購入する『勉強法図鑑』(西岡壱誠と東大カルペ・ディエムの共著、TAC出版)(他の写真を見る

西岡壱誠(にしおか・いっせい)
東大生、株式会社カルペ・ディエム代表。1996年生まれ。偏差値 35から東大を目指すも、 2年連続で不合格。そこから独自に勉強法を研究し、東大(文科二類)合格を果たす。入学後、『ドラゴン桜 2』(講談社)の編集などを担当。 2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立し、高校生に思考法・勉強法を教えている。『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)シリーズなど著書多数。

東大カルペ・ディエム
東大生集団。2020年 6月に西岡壱誠を代表として、多くの「逆転合格」した現役東大生によって結成され、全国各地の学校でワークショップや講演会を実施。年間 1000人以上の生徒に勉強法を教えている。著書に『東大生が教える 戦争超全史』(ダイヤモンド社)、『東大大全 すべての受験生が東大を目指せる勉強テクニック』(幻冬舎)など。

デイリー新潮編集部

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