がむしゃらな勉強はもう無理… 記憶が衰えたビジネスパーソンに効く「2つ」の方法

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一問一答勉強法

 一問一答勉強法は、覚えるべき事柄に対して、その事柄が答えになる問題を自分でつくり、一問一答形式でノートをまとめていくものです。「どう問われるか」を意識しながらその問題を覚えることができるので、試験問題を解くうえでより点数につながりやすい記憶が可能になります。

 それが答えになる問題をつくるのは意外と大変です。なぜならちゃんと1つに答えが絞られるような問い方をしないといけないからです。たとえば、「正しいと言う意味の英単語は?」→correct/right/true、と、いくつも答えができてしまいますよね。「基本的にだれが見ても明らかで正確なことを意味する英単語は?」→correct、となるのです。

英単語を覚えるとき

 英単語を覚える場合、ただ「inspire=応援する」と覚えるのでは なく、「“The design of this building was ____ by nature. このビルのデザインは自然から影響を与えられている” 下線に当てはまる単語を答えなさい」というような問題をつくって覚えることで、より実践的な暗記ができるようになります。

日本史を覚えるとき

 この勉強法のいいところは、かなり実践的で、どこが覚えるべき ポイントなのかが問題をつくる過程で理解できるようになるのです。

 たとえば、日本史で奈良時代などの租税制度で「租(そ)」「庸(よう)」「調(ちょう)」を習うと思います。「租」=「律令制度の税制の中心」とだけ覚えていると、「律令制度の税制の中心は?」という問題が考えられますが、この場合、同じく中心だった「調」「庸」も答えになってしまいます。

「律令制度の税制のなかで、収穫した稲を納める税は?」と出題すれば答えが「租」になりますが、そうすると「租=収穫した稲を納める、律令制度の税制」と覚えなければならないことがわかります。

 このように、作問を意識することで、覚えるべきポイントがより効率的にわかるのです。どんな問題をつくるか、というのは、そっくりそのまま、どう問われる可能性があるかを想像し、対策することにつながります。テスト対策として有効なので、ぜひやってみましょう。

資格試験のとき

 一問一答勉強法は資格試験対策でも有効です。選択肢を選ぶ択一式の試験では、問題文の選択肢それぞれが用語の説明であったり、一問一答形式の問題だったりします。正しい選択肢はそのまま一問一答の問題として、誤っている選択肢はどこがまちがいなのかを明確にしてノートにまとめることで、格段に実力がアップします。

 これは資格試験の勉強に限りませんが、1つの答えに対して複数の問題をつくるのもおすすめです。「end」には、「終わり」以外にも、「目的」や「端」という意味があります。

「end of the table」は「テーブルの端」という意味ですが、「目的を表すeから始まる英単語は?」 「“____ of the table.テーブルの端” 下線に当てはまる単語を答えなさい」という2つの問題をつくることで、1つの知識だけで終わらせないようにすることができます。

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 この記事の後編では、同じく『勉強法図鑑』(TAC出版)より、「ミス集め勉強法」と「正の字勉強法」という、よりユニークな勉強法を紹介している。

『勉強法図鑑』(西岡壱誠と東大カルペ・ディエムの共著、TAC出版)

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西岡壱誠(にしおか・いっせい)
東大生、株式会社カルペ・ディエム代表。1996年生まれ。偏差値 35から東大を目指すも、2年連続で不合格。そこから独自に勉強法を研究し、東大(文科二類)合格を果たす。入学後、『ドラゴン桜 2』(講談社)の編集などを担当。2020年に株式会社カルペ・ディエムを設立し、高校生に思考法・勉強法を教えている。『「読む力」と「地頭力」がいっきに身につく 東大読書』(東洋経済新報社)シリーズなど著書多数。

東大カルペ・ディエム
東大生集団。2020年6月に西岡壱誠を代表として、多くの「逆転合格」した現役東大生によって結成され、全国各地の学校でワークショップや講演会を実施。年間 1000人以上の生徒に勉強法を教えている。著書に『東大生が教える 戦争超全史』(ダイヤモンド社)、『東大大全 すべての受験生が東大を目指せる勉強テクニック』(幻冬舎)など。

デイリー新潮編集部

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