がむしゃらな勉強はもう無理… 記憶が衰えたビジネスパーソンに効く「2つ」の方法

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 総務省統計局が昨年発表した資料によれば、「就業者に占める転職等希望者の割合」は15.3%で過去最高だったという。働き手の不足も相まって、「転職が当たり前」の時代に入りつつある日本。ただ、キャリアアップを伴う転職に避けて通れないのが「勉強」だ。いくら“売り手市場”になったとしても、ライバルと差をつけるためには業界研究や資格取得などの勉強は欠かせない。ただ、記憶力は20代をピークにあとは低下の一途を辿るのは有名な話。そこで、ビジネスパーソンにこそ有効な「勉強法」をご紹介する。

(前後編の前編)

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※以下、『勉強法図鑑』(西岡壱誠と東大カルペ・ディエムの共著、TAC出版)の内容より、一部を抜粋/編集してお伝えする。

メモリーツリー勉強法

 記憶は、つながりが強いほど覚えやすく忘れにくいといわれます。その性質を利用して、同じ意味を持つ関係や、逆の意味を持つ関係、また、単語の成り立ちが似ている関係など、多くのつながりのパターンを線でつないでいくのがメモリーツリー勉強法です。

 メモリーツリーは、情報と情報のつながりを線でつなぎ、目に見える形にノートに書き込む方法です。「記憶」=「メモリー」の「つながり」=「ツリー」をつくる勉強法なので、この名前がつけられました。見た目もわかりやすく、あとから書き足すこともできるため、多くの人に使われています。

ただし、共通点を見出して「ここが似ている」「ここでつながっている」ということを明確に理解していないとノートをつくることが難しいので注意してください。

メモリーツリーのつくり方

 メモリーツリーのつくり方を具体的に見ていきましょう。まず、紙の中央に一つ、覚えたい単語や勉強したい単元の用語を書きます。たとえば、ここでは「form」という英単語を使います。これは「形」を意味する言葉です。

 多くの人が、ただ「form=形」と覚えると思いますが、これは野球やテニスなどのスポーツでいう「フォームがいい」の「フォーム」と同じ意味で、「外から見たときの形」を指します。野球やゴルフ、テニスなどでは「どの位置に腕がきていて、どの位置に足があって……」と、外から見た特徴を指して「フォーム」といってますが、このように「形」「形態」「外見」といったものを指してフォームというのです。

 また、「フォーマル(formal)な格好」という表現もありますが、これは「正式」な格好を指します。なぜ「形」が「正式」になるかというのは、「形式ばる」という日本語を知っていればわかると思います。「形通り・型通り」というのは、「正式」なものであり、遊びがなくて堅苦しい状態を指します。だからこそ、「フォーマルな格好」は「形式ばっていて外見的にきちんとしている状態」を指すわけです。

「format」というのは「ほかにも使えるような型」、「formula」は「数学などの公式」「決まった言葉」を指します。「form」というのは「形」から派生して「形式に則っている」という意味になるのがわかりますね。

 このような派生情報を整理して、form からつながる形で、ノー トに「format」「formula」「uniform」と書いていくのです。このノートを使えば、このように、一つの英単語から複数の意味のつながりを理解することができますね。

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