茂木幹事長にまたも「政治資金の私的流用」疑惑 そこまでして手に入れたかった“330円のモノ”とは
1個330円のコロッケパンとハムカツパン――。次期総理・総裁の座をうかがう自民党の茂木敏充幹事長(68)は、素朴な味わいで人気の老舗総菜店の常連客だった。高級レストランや高価なワインを好みながら、他方で庶民的な一面を持つかと思いきや、代金はすべて政治資金で賄われていた。
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【写真をみる】茂木幹事長が「政治資金」で購入した“330円のモノ” 証拠となる領収書も
「吉野家」「ココイチ」を“政治資金”で
本誌(「週刊新潮」)が茂木氏の“政治資金規正法違反疑惑”を報じたのは今年3月。資金管理団体「茂木敏充政策研究会」による1万円以下の支出の詳細を、情報公開請求で入手した「少額領収書」で詳らかにした。
そこでは2017年から19年までの3年間で、計322枚の飲食関連の領収書が「組織活動費」なる名目で処理されていた。これは“永田町文学”で交際費や渉外費を意味するという。
政治部デスクが解説する。
「国会議員の資金管理団体には、人件費を除く1万円超の支出の使途を、政治資金収支報告書に記載することが義務付けられています。ところが少額領収書はその対象ではないので、国民がその実態を目にする機会はほとんどありません」
興味深い支出先は、牛丼チェーン「吉野家」やカレーチェーンの「カレーハウスCoCo壱番屋」など。金額は500円から2000円ほどで、これらは政治活動ではなく、私的な飲食ではないかとの疑念が残る。
「茂木先生は20年来のお客さん」
さて、このほど本誌は新たに、茂木敏充政策研究会が20年から22年までに処理した少額領収書を入手した。組織活動費として計上されたのは187枚で、そのうち飲食関連は177枚。前回は茂木氏がカレーや麻婆豆腐の専門店など辛い料理を好む様子がうかがえたが、今回は新たな“マイブーム”が見て取れる。
なかでも、最も目を引くのは1927年創業の東京・東銀座の老舗総菜店だ。3年間で16回利用しており、領収書に記載されている金額はすべて660円。茂木氏は超の付く几帳面な性格で知られ、領収書にはそれを象徴するように同じ額が並ぶ。コロッケパンとハムカツパンがちょうど1個330円である(現在は各390円)。
この店は、銀座界隈で有名だった。
「総菜のコロッケやハムカツ、トンカツをはじめ、それらを使った総菜パンも有名な店。歌舞伎座が近く、歌舞伎俳優の松本幸四郎(51)もごひいきだとか。過去には何度かテレビで紹介されたことがある」(近隣住人)
実際に午後の早い時間帯に店を訪れたところ、人気のコロッケパンはすでに売り切れ。店主に聞くと、
「営業する日は、朝からまとめ買いの客が後を絶たないからね。とくにコロッケパンは人気だから、昼前には売り切れちゃうことも」
そこでハムカツとメンチカツのパンを購入しつつ、改めて店主に話を聞いた。
「茂木先生は20年来のお客さん。当時は外務副大臣だったかな。コロッケパンとハムカツパンがお好みで、いつもきまって一つずつ買って行かれましたよ」
店と茂木氏には、意外な接点があるそうだ。
「先生が地元の足利市にいた頃、ウチと似たような店があり、よく買いに行っていたとか。私の母親は栃木県出身なので、どこか親近感を覚えていたみたい」
本誌が購入した2種類のパンは、懐かしさを感じる優しい味わい。が、茂木氏の支払いは政治資金による。私的な飲食と見なされそうなこれらの支出も、国民の政治不信の一因だ。その点について茂木氏に見解を尋ねたところ、回答はなかった。