会議中に「私のお母さんは……」、社外の人に「ウチの部長さんによれば……」 若者が使う“呼称”がどうにも気になる問題

国内 社会

  • ブックマーク

希薄になった気恥ずかしさ

 今から25年ほど前、私は当時所属していたさる企業で、採用試験の面接官をやっていた。その企業では、受験生に対して事前にアンケートを配布していたのだが、その中の「尊敬する人は?」という項目に、「父」と回答する学生が少なからず存在し、驚いたことがある。というのも、私には父親を尊敬するという感覚はなく、さらにこうした質問には「松下幸之助」といった伝説的な経営者や、「徳川家康」など歴史上の偉人を挙げるのが常識であると思っていたのだ。自分の親について、仮に尊敬する面があったとしても、人様に向かってそう明言するのは気恥ずかしいものだという風潮が、少なくとも私が学生の頃には存在していた。...

つづきを読む