「シダマツ」ペアの志田選手の美貌ばかりに注目する記事の気持ち悪さ ルックスとメダルの両立プレッシャーはペアの存続にすら関わる可能性も
パリ五輪バドミントンでメダルの行方同様に注目を集めた、「シダマツ」ペアの志田千陽選手の美貌。ライターの冨士海ネコ氏は、女子ペアの片方の美貌ばかり注目される風潮に気持ち悪さを感じるという。
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かわいい友達と二人でいる時、男性がその友達ばかりに話しかけ、透明人間のように扱われた経験のある女性は結構いるのではないか。その場を離れるのも感じが悪いし、失礼と怒ることもできずに、ただ黙ってニコニコと時間が過ぎるのを待つしかない状況。バドミントン女子ダブルス・シダマツペアに関するネットニュースを見るたび、あの気まずさがよみがえってきてしまう。
ともすれば、メダルの行方よりも大きく注目を集めたのは、志田千陽選手の美貌である。開会から閉会式当日まで、志田選手関連のオンラインニュースは300件を超え、そのうち約1割強は志田選手のルックスに関するもの。「秋田美人」「バドミントン界のアイドル」「ほぼ女優」……7月30日の予選ラウンド3回戦の試合中から、国内の Xでは志田選手の名前が急上昇。国内だけでなく中国でも人気を集めており、「真珠のような美貌」「美し過ぎる」と現地ファンの声を紹介するメディアもあった。戦績を伝えるニュースにつくYahoo!コメントはせいぜい2桁だが、志田選手の容姿に関するタイトルがあるだけでコメント数は3桁になる。Xのポスト数でも、志田選手に関する投稿は、松山奈未選手の5倍近い。
シダマツペアが五輪内定を決めた春先は、ネットニュースもほぼ無風状態。オリンピックのような世界的イベントで、動く姿がテレビで放送されることが、どれだけ影響力があるかがうかがえる。バドミントンはマイナースポーツではないが、サッカーやテニスの競技人口と比べると少ない。選手のビジュアルをきっかけに興味を持ってもらい、人やお金の流れが活性化するのは喜ばしいことではあるのだろう。アスリートはメダル獲得、ファンは急増、バドミントン業界はハッピー。その三方良しの大団円に外部の人間が何か言うのもおかしいのは分かっているのだが、女性ペアのアスリートに対し、片方の美貌だけを持ち上げるメディアの風潮に、ちょっと居心地の悪さも覚えてしまうのである。
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