ホスト役がハマりすぎ…「地面師たち」で強烈なインパクトを残した「樹木希林」“最後の弟子”とは
強面俳優のお気に入り
「それからはテレビドラマにもちょこちょこ出るようになりました。とにかくヤンキーやホストなどチャラい役が上手く、そういう役のある時は必ずキャスティング候補として名前が挙がり、結局、選ばれることが多いようです」
20年9月公開の映画「ミッドナイトスワン」ではショーガール(キャンディ)役、昨年10月期のドラマ「時をかけるな、恋人たち」(フジテレビ/カンテレ制作)でもホスト役を演じた。水も滴る……というタイプではないが、凜々しい眉と鋭い眼差しが目を引く。
「現場では態度がデカいという声もあります。後輩俳優をイジったり、まあ、普段のまんまの芝居なので『上手に見えるのは素でやってるから』なんて陰口も聞きますね」
そんな吉村を気に入ったのは樹木希林ばかりではないという。
「強面俳優で鳴る小沢仁志さんです。21年のU-NEXTの配信ドラマ『列島制覇 非道のうさぎ』で、合唱にハマったヤクザ(小沢)の一番舎弟を演じたのが吉村でした。小沢さんは彼を気に入ったようで、自身のYouTubeチャンネル『笑う小沢と怒れる仁志』にゲスト出演させ、一緒に町中華を訪ねていました」
今の世の中に合わないキャラ
なんでも「列島制覇 非道のうさぎ」の撮影時、吉村の家には冷蔵庫も洗濯機もなかったらしい。見かねた小沢が自宅で余っていた洗濯機をあげたとか。そんな小沢は吉村をこう評している。
小沢:こいつがもう全然、周りを気にしない男だからダメダメで、独りになりそうだから俺が拾ってた。
さらに、
小沢:俺らの世代にはお前みたいなキャラいっぱいいたのに、今の世の中に合わないから。だから何かお前を身近に感じちゃう。
現代には合わない、昭和っぽいキャラのようだ。
「小沢さんの前では吉村も素直でしたね。彼の教育でマイナスイメージも変わってきたのかもしれません。昨年のNHK大河『どうする家康』ではチョイ役でしたが、真田幸村の兄・信幸を演じて話題になりました。演技は上手いので、作品に恵まれれば地上波ドラマでメインの役も回ってくると思います。若葉竜也や池松壮亮も、映画で賞を取ってからドラマでメインに起用されるようになりました。地上波は売れてからでないと使いませんから。心配されるのは、売れた時に天狗にならないかどうかです」
その時は再度、小沢の出番かもしれない。