東京都の「カスハラ防止条例」で、悪質なクレームは減るのか 専門家が語る期待

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日本人の質の低下を象徴

 ならばこの先、条例やマニュアルが整備されていくほどに、悪質なクレームで従業員を困らせるカスハラは減るのか。

 評論家の唐沢俊一氏はこう見解を語る。

「生活が便利になりすぎて生身の人間同士の触れ合いが希薄になった結果、相手を思いやれないクレーマーが増えたんです。カスハラ防止条例が俎上に載ること自体が日本人の質の低下を象徴しています。アメリカでは弁護士がクレーマーを煽っておかしな訴訟を乱発させていますが、同国の背中を追いかけている日本にもいずれ、同じような状況が訪れるはず。長い目で見ればカスハラを減らすのは、難しいかもしれません」

 今こそ条例やマニュアルばかりに期待するのでなく、社会全体のモラルが問われているとは言えまいか。

デイリー新潮編集部

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