「コカ・コーラ」一強でも1999年は「ペプシ」が逆転… “コーラの多様性”をコンビニから考える

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「空水コーラ」を試飲、お世辞抜きでマジうまい

渡辺:クラフトコーラという言葉はいつ誕生したんですか?

空水:元々は米国でペプシコから2014年に発売された「CALEB's KOLA(キャレブズコーラ)」が、2018年に日本へ入ってきたときの宣伝文句なんです。米国では「クラフトコーラ」として売り出されていたわけではなく、サントリーが謳った言葉ですね。

渡辺:そもそもクラフトって何なんですかね。2018年に日本へ入ってきた時点で大量生産しているんだから、あまり手作り感ない気がしますが(笑)。

空水:クラフトの定義も曖昧です。ずっと高級なコーラを指す言葉がなく、そこにうまくハマって高価格帯のコーラがクラフトコーラと呼ばれているという。

渡辺:僕らの時代は「コーラを飲むと骨が溶ける」とも根拠のない事を大人からよく言われていました。

空水:子供のころに、あるお医者さんに訊いたことがあるのですが、たしかに人間の歯を炭酸に1週間くらい漬けると、包丁で切れるくらい柔らかくなってしまうらしいんです。でも、飲むだけで骨は溶けないそうです。一応、僕も平均500ミリ/日というルールにしていますけど。

渡辺:今日はせっかくなので「空水コーラ」を一緒にいただきたいなと。でも、僕が飲んでも大丈夫なんですかね?

空水:「コカ・コーラ」好きに寄せた味なので、おそらくお口に合うのではないかなと。コーラはライムなども相性が良いんですが、ライチ、ラフランス、メープルシロップをミックスしたフレーバーです。

渡辺:めちゃくちゃ飲みやすくて、おいしいですね。お世辞じゃないです。僕はお世辞言わないですから。ただ、1,600円とはまあまあな価格ですね。大量生産できないとこれくらいの価格になってしまうと。

空水:そうですね。光熱費などを抜いた原材料費だけでけっこうかかってしまい。コーラは無果汁の商品が多いんですけど、きちんとフルーツ系の果汁を入れることがおいしいコーラづくりでは大切なんです。

渡辺:これ飲むと、日本の売り場におけるコーラの多様性の無さは何とかしたくなります。だってマジでおいしいですよ。もっと一般の人たちが買いやすいマス向けの商品でつくってほしいなと思っちゃいます。

空水:僕もそうなると嬉しいですね。

渡辺:これはコンビニのマスの力を借りるしかない。メーカーさん、急いで空水さんに連絡取ってください!

空水りょーすけ
国際クラフトコーラ連盟(FICA)理事長。コーラ専門サイト「コーラ倶楽部」代表、コーラ専門情報メディア「Cola-Fan」編集長。15年ほど前にコーラ趣味を志し、現在まで様々なコーラを飲んできました。「コーラとは何か?」という疑問の答えを見つけるために活動しています。Xアカウント(@soramizuryosuke)

渡辺広明(わたなべ・ひろあき)
消費経済アナリスト、流通アナリスト、コンビニジャーナリスト。1967年静岡県浜松市生まれ。株式会社ローソンに22年間勤務し、店長、スーパーバイザー、バイヤーなどを経験。現在は商品開発・営業・マーケティング・顧問・コンサル業務などの活動の傍ら、全国で講演活動を行っている(依頼はやらまいかマーケティングまで)。フジテレビ「FNN Live News α」レギュラーコメンテーター、TOKYO FM「馬渕・渡辺の#ビジトピ」パーソナリティ。近著『ニッポン経済の問題を消費者目線で考えてみた』(フォレスト出版)。

デイリー新潮編集部

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