「コカ・コーラ」一強でも1999年は「ペプシ」が逆転… “コーラの多様性”をコンビニから考える
全国5万8,000店舗、年間約162億人が買い物する“コンビニ超大国ニッポン”。老若男女、昼夜を問わずさまざまな人が訪れるコンビニは、その目的や利用方法も人によってさまざまだ。「コンビニとの付き合い方」を覗いた先に見えてくるものとは? コンビニジャーナリスト・渡辺広明氏が、ゲストを招きコンビニについて大いに語り合う──。
今回のゲストは、特別名誉会員にパンサー向井慧氏や落合陽平氏などが名を連ねる国際クラフトコーラ連盟(FICA)理事長として、メディアにも多数出演する空水りょーすけ氏(33)。この7月に自身謹製の「空水コーラ」を限定発売した同氏は、「コカ・コーラ」一強状態のコンビニをどう見ているのか?
誰もよくわかってない「コーラ」の定義
渡辺広明(以下、渡辺):空水さんはどちらのご出身なんですか?
空水りょーすけ(以下、空水):僕は赤羽出身です。小学校の頃は近所の「スリーエイト」が友達との待ち合わせ場所でした。「スリーエフ」も近所にあったのでよく利用していましたね。
渡辺:赤羽って、マニアックコンビニ地区だったんですかね(笑)。
空水:もちろん大手コンビニもあったんですけど、実家から一番近いコンビニがその2つで。
渡辺:その頃からコーラがお好きで?
空水:覚醒したのは20歳の頃ですね。当時、スーパー銭湯に通っていて、風呂上がりに牛乳とかよく飲んでいたんですが、あるときアサヒの自販機にあった「グリーンコーラ」(※単年で生産終了)を飲んで衝撃を受けました。
渡辺:そんな商品があったんですね。
空水:カフェインフリーで、自然派を謳ったような商品だったんですが、これが本当に美味しくて……実はまだ家にあるんですけど。
渡辺:それは飲まないでくださいね(笑)。
空水:また飲んでみたいんですけどね(笑)。ぜひ再販してくれたらなと。
渡辺:なんか今の時代にもウケそうな商品ですね。
空水:世に出るのが早すぎたかもしれないです。「コカ・コーラ」とも「ペプシ」とも違うおいしさを「グリーンコーラ」に感じて、「そもそもコーラって何?」と。コーラは一般名詞で実はいろんな種類の商品があって、これだけ多くの人に飲まれているのに、誰も正体を知らないんです。
渡辺:確かに不思議な商品ですよね。
空水:辞書的な定義では、コーラナッツという実を用いた飲み物がコーラなんですけど、現在の「コカ・コーラ」では使われていないとされています。
渡辺:え、じゃあ「ファンタ」もコーラですか?
空水:名乗ればコーラみたいなところもあります。ドイツ発祥の「ファンタ」は、第二次世界大戦でコーラの原液が米国から輸入できなくなり、代替品として生まれたドリンクでもあるので。
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