甲子園の“判官贔屓”は今年も…金足農のミラクルを期待する「異様な空気」 “アウェー”となった西日本短大付の監督は何を感じたか?
観客の気まぐれが生み出す異様な空気
面白い試合が見たい。大反撃、逆転、サヨナラ劇。
そんな、ちょっとした気まぐれな観客の思いが、時に膨れ上がり、期せずして一方のチームに“想定外のアウェー感”を生むことがあるのだ。
ちなみに、東邦―八戸学院光星戦の後に、タオル回しによる応援の自粛が呼びかけられたこともあり、球場中が“同じ色”で揺れる異様ともいえるような光景は見られなくはなっている。
「やっぱり甲子園って、いいチームに対する応援というか、そういう流れがある。金足農さんは、やっぱり素晴らしい、人気のあるチームですからね。その中で逃げ切れたことは非常に大きいですし、私たちもこんなチームを目指したいと思っています。これから試合を重ねるごとに、そういう風なチームにしていきたいな、と。そんな気持ちで見ていました」
西村監督は、目指すべき「理想像」を、金足農への“後押し”に見たのだという。その“前向きな教訓”を得られる勝利で終わったことは、西短付には救いでもあった。
積み重ねた歴史の重み。そして、負ければ終わりという、その一発勝負の醍醐味。これが甲子園という舞台の中で、さらに強い魅力を発するのだろう。それが、思いも寄らぬドラマを生み出す。ここに、ファンは引かれる。
ただ、それも甲子園の「怖さ」なのかもしれない―。
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