「社員よりもタミヤに詳しい」元テレ朝アナが語る「プラモデルのイメージを“子どものおもちゃ”から変えたい」

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プラモ作りも変わらず

 プライベートでは2009年に俳優の石坂浩二さん(83)が主宰する模型サークル「ろうがんず」の発起人の一人となり、こちらの活動も続けている。

「妻とは結婚する時に、プラモデルの事は“了承済み”でしたが、子どもたちからは『パパはお休みの日は、おもちゃばかり作っている』と不思議に思われていました。それが石坂さんのサークルの発起人になると、『石坂さんて、あのテレビに出てくる石坂さん? パパ、凄いねー』と(笑)。プラモデル愛好家にとって、石坂浩二さんの名前は大きいなと実感しましたね」

 これから新たにその役割を担うのは、間違いなく松井さんだ。もし、静岡にあるタミヤ本社の歴史館を訪ねたら(入館は自由、ただし事前予約制)、松井さんがいて、聞き慣れた絶妙なナレーションでそれぞれのプラモデルの歴史、秘話、パーツの特徴から組み立てのコツまで教えてくれたら……かつてのプラモ少年たちにはたまらないだろう。

「私も時間に余裕ができて、仕事を入れずに3日連続でプラモデルを作ることもあります。この前はエッチングパーツ(金属製の板に特殊な加工を施し、プラスチックでは表現できないパーツを再現する)だらけの航空母艦を作ったのですが、普通なら1カ月かかるところを9日で作りました(笑)」

 何歳になってもプラモ作りは楽しいものだ。今年7月1日、タミヤ社長に就任した田宮信央氏(37)は、広報誌「タミヤニュース」2024年8月号の巻頭にこう書いている。

《今の私なりの言葉で表現すると、模型の楽しさは「つくる楽しさ、想いを馳せるロマン、ロマンを分かち合うつながり」となる。タミヤデザインと製品を通じて、心豊かな時間を提供したい》

 飛行機、戦闘機、戦艦、戦車、兵隊、クルマ、バイク。どのプラモデルも、作る楽しさだけでなく、詳細な説明書でモデルが生まれた歴史的背景、そしてパーツや色彩のルーツを知る――やはりプラモデル作りは奥が深い。さぁ、夏休み。何か作ってみませんか?

第2回では、アナウンサーとしてテレ朝入社後、久米宏さんとの思い出。そして社会人になって再燃したタミヤへの思いについて語る

松井康真(まつい・やすまさ)
1963年生まれ。2023年3月テレビ朝日を定年退職し、故郷の富山県南砺市井波町のすばらしさを全国に伝えたいと「OFFICEユズキ」を立ち上げフリーアナウンサーに。東京と富山の2拠点生活に加え、タミヤ模型史研究顧問の肩書きが加わり静岡も第3の拠点に。

デイリー新潮編集部

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