攻めすぎた「山下美夢有」と静かに攻めた「リディア・コー」 五輪女子ゴルフのデッドヒートを制したポイントとは
「ハッピーな気持ちで戦うことができた」
音もなく天まで昇っていったコーの最高の戦いぶりには、銀メダルを獲得したヘンゼライトも銅メダルを手に入れたリン・シユも、そしてメダルを逃した山下も及ばなかった。
2016年リオ五輪で銀メダル、2021年東京五輪では銅メダルを獲ったコーは、パリ五輪で悲願の金メダルを手に入れ、「私がゴールドメダリストになったなんて……大勢のみなさんが支えてくれたからこそ、私はハッピーな気持ちでパリ五輪を戦うことができた。ありがとう」。表彰台に立ち、ニュージーランドの国歌を聞いたときは、涙が溢れて止まらなくなった。
金銀銅のメダルをすべて手に入れる偉業は「今後、2度と達成されないのでは?」と米メディアは口を揃える。
この金メダル獲得によって、史上最年少のゴルフ殿堂入りも決まり、「これ以上は何も望まない」と言ったコーの幸せそうな表情が、眺めていた世界中の人々に笑顔を運んだ。
そんなパリ五輪の女子ゴルフは、文字通りのハッピーエンドだった。