高校野球「7回制」は本当に導入されるのか…「二部制」、「他球場での開催」は課題山積

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審判も白色シューズOKに

 連日熱戦が続く夏の高校野球甲子園大会。甲子園球場の開場100周年とも重なった今年、日本高野連は「新たな改革案」を施行した。まず、1日3試合が組まれる大会3日目まで、暑さ対策のため試合を午前と夕方に分ける二部制を導入している。さらに、

「今夏から審判員も『白色のシューズ着用』がOKになりました。熱中症特別アラートが発令されたときに対応する専門チーム(主催の高野連、朝日新聞社、甲子園球場から適任者を指名する)も新設されました。5回裏終了後、選手が水分補給や体を冷やす10分間のクーリングタイムも引き続き、実施されます」(関東圏の高野連スタッフ)

 8月7日の開会式後、広陵高校(広島)の新ユニフォームが話題になった。帽子、アンダーシャツが黒色から白色に変わり、同校球児たちは「暑さに対する体感が全然違う」と話していた。

 延長時のタイブレーク採用、投球制限、女子マネージャーのベンチ入り、女性ノッカーの容認、センバツでのイメージ(キャンペーン)ガールの採用、低反発の新・金属バットなど、近年の高野連は多くの改革を実施してきた。最優先で考えているのは球児たちの健康で、高野連は思いつきで改革を実施してきたのではなく、相当な準備や調査を経てから導入を実現してきた。

 例えばこれも今夏から始まった「捕食」策がある。第一試合の出場校は、出発や準備などで、宿舎で十分に朝食の摂れないケースがあり、低栄養により試合中に足がつるといった熱中症の症状が現れるという報告を受け、その分野の専門家に何度も助言を仰ぎ、試合前にどんなメニューを提供すべきかまで話し合った。

「無死一・二塁の設定から攻撃のイニングを始める“タイブレーク制”が甲子園大会で導入されたのは18年春のセンバツ大会からです。14年には一部の地方大会や新人戦で採用されており、その間、高野連は地方の報告を受け、全国大会に導入できるかどうかを検討してきました」(アマチュア野球担当記者)

 本格導入までに、調査や検討のための時間をかけるのは、一度採用した後でルールや内容を変更する事になると、高野連加盟校への調整や周知に時間がかかるのが一番の理由だという。

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