夏の甲子園、継投の難しさを痛感した「宮崎商対中京大中京戦」 宮崎商の“抑え投手”は足が2度も攣って登板できず
連日、熱戦が続く夏の甲子園。8月10日に行われた大会4日目の試合は、投手継投が勝敗を分けたシーンが目立った。高校野球では、2020年に投手の登板過多を防ぐため、「1週間で500球」の球数制限が導入された。地方大会を勝ち上がるチームの大半が複数の投手を起用している。いかに継投を上手くできるか、夏の甲子園で勝利する大きなカギとなっている。【西尾典文/野球ライター】
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地方大会での「勝利の方程式」
まずは、見事に継投が成功したケースから。第3試合の聖カタリナ(愛媛)対岡山学芸館(岡山)は、両先発の有馬恵叶と沖田幸大(いずれも3年)が好投して、ロースコアの緊迫した展開となった。
均衡が破れたのは、5回。岡山学芸館は、ヒットとエラー、四球でワンアウト満塁のチャンスを作る。ここで2番の高安凰真(2年)がセンターへ犠牲フライを放ち、貴重な先制点をもぎ取った。
沖田は、8回まで被安打4、7奪三振の好投で、聖カタリナ打線を封じ込めた。球数は98球と多くなかったものの、岡山学芸館の佐藤貴広監督は、沖田に代えて、9回のマウンドに背番号11の丹羽知則(3年)を送り込んだ。
丹羽は、先頭打者を内野安打で出塁させたが、これを一塁への牽制で刺す。さらに、後続を三振とセカンドゴロに打ち取って、1対0で逃げ切った。
岡山学芸館は、岡山大会の決勝、関西戦でも沖田が8回を3点に抑えた。9回を丹羽が締めて、4対3で勝利している。佐藤監督は、聖カタリナ戦後に「(継投については)迷いはなかった」と話している。地方大会での「勝利の方程式」が、甲子園の大舞台で見事にはまった。
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