岡本和真、万波中正、今宮健太…「夏の甲子園」のマウンドに上がったプロで活躍中の“強打者”

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“二刀流”球児だった日本ハム・万波中正

 日本ハムの主砲・万波中正も、東練馬リトルシニア時代は外野手兼エースとあって、横浜入学後も投手を兼ね、2年時の2017年夏、リリーフで甲子園のマウンドに上がっている。

 1回戦の秀岳館戦、1対4の7回から3番手の1年生左腕・及川雅貴(現・阪神)をリリーフした万波は、190センチ、88キロの恵まれた体から大会6位タイ(トップは花咲徳栄・清水達也の150キロ)の146キロをマーク。

 先頭の4番・広部就平を中飛、5番・田浦文丸を遊ゴロに打ち取り、簡単に2死を取った。だが、ここから右前安打と左越え二塁打で二、三塁のピンチを招き、満塁策で次打者を敬遠したところでマウンドを降りた。

 直後に登板したエースが2点タイムリーを許したため、自責点2が付き、リリーフは失敗に終わったが、その裏、本職の打撃で存在をアピールする。

 4番・万波は2死から右前安打を放ってチャンスをつなぎ、5番・福永奨(現・オリックス)の追撃3ランを呼び込んだ。結果的に4対6まで追い上げただけに、7回の2失点が悔やまれた。

 試合後、「新チームには右のパワーピッチャーがいないので、また投手もやる」と二刀流継続に意欲を燃やした万波は、翌18年夏の南神奈川大会では、打率.542、2本塁打、12打点の豪打とともに、リリーフで4試合に登板。投打にわたる活躍で、チームを2年連続の甲子園に導いている。

久保田龍雄(くぼた・たつお)
1960年生まれ。東京都出身。中央大学文学部卒業後、地方紙の記者を経て独立。プロアマ問わず野球を中心に執筆活動を展開している。きめの細かいデータと史実に基づいた考察には定評がある。

デイリー新潮編集部

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