“発がん性物質”PFASが「全国209カ所」で発覚 それでも「調査は後手後手」「血液検査には“及び腰”」の日本の実態

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 全国各地で次々と発がん性物質「PFAS(ピーファス)」の汚染が発覚している中、「週刊新潮」7月4日号の記事で紹介した「全国141カ所PFAS『汚染ハザード』一覧マップ」が大きな反響を呼んだ。再度調査をしてみると、現在はその地点が209カ所にも拡大していることが分かったのだが、国の実態調査は道半ば、さらに健康リスクを確認するための「血液検査」にも及び腰状態だという……。(以下は「週刊新潮」2024年8月15・22日号掲載の内容です)

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 PFASとは約1万種あるとされる有機フッ素化合物の総称で、自然界には存在せず分解されにくい性質のため「永遠の化学物質」と呼ばれている。厄介なのは一度でもヒトの体内に入れば、腎臓からも排出されづらく臓器などに蓄積する点。摂取をやめても、体に取り込まれた量の95%を排出するのに、約40年もの時間がかかるという試算もある。

 ひとたび水源地がPFASで汚染されると、水道水やミネラルウォーターなど、われわれが日常で口にする飲料水を通じて、体内に蓄積されてしまうのだ。

 こうしたことから、WHOの国際がん研究機関は、PFASの一種であるPFOA(ピーフォア)を発がん性物質として認定。「腎臓がん」をはじめ「脂質異常症」や「免疫不全」、「胎児・乳児の発育低下」など、さまざまな健康リスクが懸念されている。

 その一方、熱に強く撥水性や撥油性に優れたPFASは、便利な化学物質としてさまざまな製品に使用されてきた。

 ゆえに国内外の学術調査でも、汚染源として疑われるのは化学物質を扱う工場や産廃処理場、PFASを含む泡消火剤を備える空港や米軍・自衛隊などの航空基地だと指摘している。

 実際、汚染が明らかになっているエリアは、米軍横田基地のある東京の多摩地区や、多くの米軍基地を抱える沖縄県に多い。基地周辺から漏れ出たPFASが、地下水へと浸透して水源を汚染し、水道水となって各家庭へと届いている疑いが濃厚なのである。

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