新婚妻に浮気サレて2年で離婚、再婚したら今度は… 40歳夫が味わった“不倫の連鎖”体験

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やはり僕の気持ちを先回り…

 真依子さんと娘は今も、自宅から1時間あまりの信史さんの実家にいる。妻は退職し、今は実家近くでパートの仕事をしているそうだ。彼は週末になると、実家に顔を出す。

「両親を交えると、妻の愛情が少し薄まるから、息苦しくなくなるんです。いっそ実家で同居しようかとも考えたけど、通勤時間が長くなるのでむずかしい。最近、ようやく妻と今後のことを話したんです。彼女は『あなたがいいなら、このままでもいい』と。おそらく娘と3人で暮らしたいのが本音なんでしょうけど、やはり僕の気持ちを先回りする。そういうのが嫌なんだと言いたかったけど、言えませんでした」

 真依子さんは、そういう性格なのだろう。好きな人、大事な人の気持ちを優先させたいだけなのではないだろうか。ただ、彼はそれを求めていない。だからすれ違う。彼がそこに重さを感じてしまう。

 そのすれ違いを解消できるかどうかはわからない。しばらくは別居しながら、「家族」「自分』を見つめ直してみたいと彼は真顔で言った。

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 不倫サレた側の苦しみを、はからずも“連鎖”させてしまった信史さん。今後は真依子さんがそれを繋がないよう祈るばかりだ……【前編】では、端緒となった元妻・葉子さんとの関係性を紹介している。

亀山早苗(かめやま・さなえ)
フリーライター。男女関係、特に不倫について20年以上取材を続け、『不倫の恋で苦しむ男たち』『夫の不倫で苦しむ妻たち』『人はなぜ不倫をするのか』『復讐手帖─愛が狂気に変わるとき─』など著書多数。

デイリー新潮編集部

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