「あっちに魅力がないんだからさ(笑)」不倫した妻の捨て台詞に傷つき“入院”。40歳夫が振り返る、2年半で終わった結婚生活

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「愛してる」と言いつつ不倫相手のもとへ…

 結婚しても人を好きになることはあり得る。夫より好きとか、そういう比較の問題ではない。夫は夫、でも恋をした人とつきあいたいと思うのも自然でしょう、と葉子さんは言った。だったら結婚なんてしなければいいんだと怒ると、「結婚は結婚だもの」と微笑んだという。

「複数と恋愛することをなんとも思っていないのかと考えたんですが、彼女は恋愛を結婚を分けていたんでしょうね。僕は結婚向きの男ではあった、でも惹かれてはいなかったのかもしれない」

 だが信史さんは葉子さんを嫌いにはなれなかった。悔しくてせつなくて、それでも葉子さんの気持ちを自分に向かせたくてたまらなかったという。

「彼女はごく普通に生活している。週末、どこかに行こうよと誘ってくる。僕は体の内側で涙を流しながら、彼女に笑顔を向ける。つらかったです。僕を愛してほしいと葉子に頼みながら、泣けてどうしようもなかった。葉子は『あなたのことは愛してるから。本当だから』と抱きしめてくれるんです。でも不倫相手には会いに行っているようだった。残業があるからと連絡があると、会っているんだろうなと思う。そういう日は彼女、帰宅してからすごく機嫌がいいんですよ。残業で疲れたーといいながら、なんだか晴れやかな顔をしている。そういうのを見ながら、僕は次第に自分をコントロールできなくなっていきました」

白旗を揚げると、まさかの捨て台詞

 会社近くのクリニックに行くと、うつ状態だと診断された。眠れなかったので睡眠導入剤を処方してもらった。そういうことを信史さんは葉子さんには言えなかった。自分が苦しんでいることを伝えたくなかったし、プライドもあった。

「でも結局、僕は潰れました。結婚2年半でもう無理だと白旗を揚げた。どうしてと葉子に言われたけど、僕は一夫一妻制を守る普通の男だからと答えました。『わかった。なんだか残念』と彼女は言うんです。いや、もうちょっとがんばれるかもと言いそうになったけど、この状態が続いたら、僕は葉子を束縛するか暴力をふるうか。耐えきれなくて自殺してしまうかもしれない。誰のためにもならないなと思いました。学生時代の親友に、心理学を専門としている研究者がいるんです。彼に話したら、とにかく彼女から離れろと言われました。僕が感じている危機感と同じだったので、離婚するしかないと思ったんです」

 30歳目前で離婚。最後、葉子さんは「ノブさん、もう少し寛大にならないとモテないよ。あっちに魅力がないんだからさ」と笑って言ったという。信史さんの性的なテクニックのことを揶揄したのだ。その言葉は、彼のプライドをズタズタにした。おそらく彼女は、自分のわがままが通らず離婚になったことが不服で、別れ際に信史さんに逆襲したのだ。だが彼はその言葉をまともに受け取ってしまった。性格もセックスも否定されたのだ。自らを守るための離婚だったのに、最後に致命傷を負わされ、その後、体調を崩して1ヶ月近く入院したという。

「人としても男としても、まったくダメなんだと落ち込んでしまい、食べられない眠れない日々が続きました。そのうち胃腸がおかしくなって……。病院に行ったら、とにかく心身ともに弱っていると。弱い自分にも絶望しましたね」

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