「私でも騙される…」詐欺事件に詳しいジャーナリストが唸った“スパムメール”の最新手口 大手企業の名前を騙る“詐欺メール”にダマされる理由

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オウムとサイバー攻撃

 オウム真理教がテロ行為を活発化させた1990年代はスマホがなく、サイバーテロという言葉も耳にしない時代だった。もし今の時代に、優秀な研究者や行動力のある信者を多数抱えていたオウム真理教があったとして、あらゆるサイバー技術を駆使して国家権力打倒のテロ活動を企てたら、あの頃よりは国家にもっと大打撃を与えることができるかもしれない。

 ひょっとすると国家権力打倒という目的さえ達成してしまう可能性もある。数々の資料に目を通していると、ふとそんな気持ちにもなった。きっとオウムは「悪質なウェアツール」、「悪質サイト」、「ダークウェブ」、「スパムメール」……を大いに活用してテロ活動をするだろう。こんな不安が過ぎるのは私だけではないだろうと強く感じた。

第1回【「オウム真理教のVHSビデオ」を購入しようとしたジャーナリストを襲う“謎の展開”…「奇妙な女」が自宅を訪れ、「黒ずくめの男」の姿まで】では、藤原氏が詐欺サイトでオウムのVHSビデオを購入すると、謎の女性が自宅を訪問したり、黒ずくめの不審者が自宅近くで目撃されたりした一部始終を詳しく報じている。

藤原良(ふじわら・りょう)
作家・ノンフィクションライター。週刊誌や月刊誌等で、マンガ原作やアウトロー記事を多数執筆。万物斉同の精神で取材や執筆にあたり、主にアウトロー分野のライターとして定評がある。著書に『山口組対山口組』、『M資金 欲望の地下資産』、『山口組東京進出第一号 「西」からひとりで来た男』(以上、太田出版)など。

デイリー新潮編集部

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