「オウム真理教のVHSビデオ」を購入しようとしたジャーナリストを襲う“謎の展開”…「奇妙な女」が自宅を訪れ、「黒ずくめの男」の姿まで

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「上下黒い服装」の不審者

 もし日本にもフランスの反セクト法のような法律があれば、自宅に突然やって来て金品を要求するような宗教団体は間違いなく捜査及び規制の対象となる。ただひとつ深読みすれば、この不審女性は宗教団体の信者ではなくトクリュウのメンバーである可能性もある。

 私から搾取した個人情報をもとにして金品を奪いにやって来たのかもしれない。たとえ1件から5000円しか獲れなくても1日に10件から寄付金を獲れれば5万円を手にすることができる。それを20日間やれば100万円になってしまう。決して安い儲けではないはずだ。

 場合によっては住居確認をしたうえで、その家の住人が定期的に留守にしており、その時間も長いと分かれば、空き巣に入るかもしれない。ちなみに私の場合は不審な女性が去った後の深夜、「上下黒い服装で黒い目指し帽を被った不審者が近隣をうろついているのでご注意下さい」と近隣住民パトロールの方々から教えられた。

 この不審者が今回の件と関係しているかどうかは分からないが、時期的に重なっていたのは事実だった。

第2回【「私でも騙される…」詐欺事件に詳しいジャーナリストが唸った“スパムメール”の最新手口 大手企業の名前を騙る“詐欺メール”にダマされる理由】では、詐欺事件に詳しいはずの藤原氏でも本物だと信じてしまいそうな、極めて精巧なスパムメールがPCに大量に送りつけられる。その恐るべき実態をご紹介する──。

藤原良(ふじわら・りょう)
作家・ノンフィクションライター。週刊誌や月刊誌等で、マンガ原作やアウトロー記事を多数執筆。万物斉同の精神で取材や執筆にあたり、主にアウトロー分野のライターとして定評がある。著書に『山口組対山口組』、『M資金 欲望の地下資産』、『山口組東京進出第一号 「西」からひとりで来た男』(以上、太田出版)など。

デイリー新潮編集部

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