ペットの殺処分がなくならない“本当の理由”は 「飼ってはいけない人たちに無理やり売りつける仕組みが」

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「虚弱体質になりやすい」

 幼過ぎる子犬を販売することの問題点は「ミスマッチ」だけではない。

「生後56日、8週齢以下で母犬から引き離されると、無駄ぼえやかみ癖などの問題行動が多くなったり、虚弱体質になりやすいのです。子犬は、4週齢くらいで前歯が生え始め、それが母犬の乳首に当たるので母犬がお乳を与えるのを嫌がるようになり、母乳以外の物を食べるようになります」

 と、さる獣医師は言う。

「歯の状態は消化に直結しますから、あまりに幼い段階で母犬から引き離されて市場に出されると、健康に成長できない恐れがあります。食欲がなかったり、下痢を頻繁に起こすこともあります。病気がちだったり、無駄ぼえやかみ癖があったりすると、飼い主に“飼いにくい”と思われ、飼育放棄される恐れが増します」

後編【「2時間で低血糖になって死んでしまう子犬も」 ペットオークションの闇に迫る… ルール無視で“やりたい放題”】では、ペットオークションの現場で、門歯も生えそろわない子犬が売買され、危険な状態に置かれている実態について報じている。
 
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「週刊新潮」および「デイリー新潮」では、今回の事件について、情報を募集しています。下記の「情報提供フォーム」まで情報をお寄せください。
情報提供フォーム: https://www.dailyshincho.jp/confidential/

週刊新潮 2024年8月15・22日号掲載

特集「だから『殺処分』はなくならない ペット業界大手『ペッツファースト』『プリペット』の法令違反疑惑」より

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