「ベジタブルな野菜ですね」……インスタで大人気「小泉進次郎」がネタ動画にされる「テレネット政治」の落とし穴 自民党議員からは「総理待望論」も

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女性人気と進次郎

 以上の候補者の中で、特筆すべき傾向があるのは、小泉進次郎である。

 先に述べたように、進次郎の特徴は、Xのフォロワーが1.7万人だが、Instagramは15.9万人もいることだ。

 選挙Instagramに詳しい専門家は言う。

「言葉を紡ぐXは比較的男性的なSNSであるが、Instagramは画像や動画中心のコンテンツで、圧倒的に女性が中心のSNS。日常をさりげなく、しかし方向性や視点を持ち、切り出せる感性が問われる。ゆえに女性の人気を測るのに適したSNSだ」

 世論も女性が中心となって作られる時代だ。現代政治では女性から支持を得ることがこれまでに増して重要な要素となってきている。

 筆者は民放でテレビ番組のプロデューサーも務めたが、実際、Instagramで人気のある議員が出演すると、その時間は視聴率が上がる傾向にある。

 こうしてみると、進次郎はまさにネット、SNS時代に対応した政治家のように思える。

「このトースト、パンの味がしますね」

 しかし、事はそう単純ではない。

 YouTubeやTikTokなど、ネット動画の世界では、進次郎の画像に、彼がいかにも発言しそうな架空の言葉を列挙したコンテンツが大量に流され、再生されている。たとえばトーストを頬張る本人の写真に「このトースト、パンの味がしますね」との架空のコメントが添えられ、SNS上で数万回再生されている。これには何バージョンもあり、「これがPCですが、うちのパソコンに似てますね」、「ベジタブルな野菜ですね」など、進次郎らしい、しかし意味不明なフレーズをうまくパロディにしたものが大量に作られて拡散されている。いわゆる「進次郎構文」だ。あるいは、テレビ局のニュース映像などを不法に使い、まとめられた本人のリアル発言集もある。いずれも進次郎の発言の中身が薄いことを揶揄し、笑いのネタとして動画加工されているのだ。

 ネット上には進次郎のアンチも数多くいて、彼の言動を常にパロディとして晒しているのである。

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