ご飯がハエで真っ黒、大量の蚤、異様なガスの臭い…「硫黄島」で零戦パイロットが見た地獄
太平洋戦争中の1945(昭和20)年2月16日から1カ月余のあいだ、東京から南に約1200キロメートルの位置にある硫黄島では死闘が繰り広げられた。2万余名の守備隊が約6万人の米兵を迎撃し、玉砕した「硫黄島の戦い」だ。2006年にクリント・イーストウッド監督の映画「硫黄島からの手紙」がヒットしたことで、若い世代にも比較的よく知られている。
玉砕の約半年前、1944(昭和19)年6月末から7月にかけての空戦で、硫黄島から出撃した零戦隊が壊滅した。ここで制空海権を失ったことにより、硫黄島は艦砲と爆撃機の攻撃にさらされることになる。...