中川安奈アナの服装が気になる人は「老害」? フリー転身の武器にも弱点にもなる「主役になりたい欲求」

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 日本選手の活躍がめざましいパリ五輪で、NHKの中川安奈アナウンサー(30)の服装が物議を醸した。現地レポートの際、白いジャケットのインナーに着ていたベージュのトップスが、肌と同化しているように見えた、とSNSで話題になったのだ。ライターの冨士海ネコ氏は、この騒動に「理想の女子アナ像」の世代差を見たという。

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 女の敵は女、という言葉はあまり好きではないけれど、民放女子アナを敵に回したであろうNHK中川安奈アナ。衣装ひとつで話題をかっさらってしまい、パリオリンピックが終わった後、彼女以外に誰がキャスターを務めていたか、覚えている視聴者はほとんどいないのではないか。

 中川アナの映像を改めて見てみたが、服を着ていないようには見えない。ゴールドのラメが入ったトップスだ。今どき、職場や日常生活で、この程度のファッションに目くじらを立てていたら「老害」認定されてもおかしくはない。

 ではなぜここまで騒がれるかというと、従来の五輪に派遣されてきた女子アナとは真逆の自己主張を感じ取った人がそれだけ多かったということではないだろうか。

 各局の民放女子アナの服装と比べてみると分かる。ほとんどが襟のついたブラウスまたはジャケットを着用し、顔映りのよい白いインナーや薄いブルーを選んだ女子アナが多い。清潔感を第一に、スポーツの祭典に合わせた明るい雰囲気のスタイルを意識していることがうかがえた。そこにあるのは、「脇役だとわきまえています」という主張である。ただでさえ女子アナは、目立ちたがりだとたたかれがち。服装で自己主張するなんてもってのほか、という世論をふまえた「守り」の姿勢が感じられる。

 しかし中川アナの服装は、徹底した「攻め」だ。ジャケットもインナーも襟はなし。トップスにラメの入ったゴールドを選んだのは、「日本勢の金メダル獲得という験を担いで」という強いメッセージ性を放っている。その服を選んだ理由を話してインタビューに臨めば、アスリートも五輪関係者も悪い気はしないだろう。

 視聴者に嫌われないことを意識した民放アナの服装と、現地の関係者たちに好かれることを意識した服装の中川アナ。五輪を機にフリー転身をささやかれている中川アナだが、確かにインパクトは十分に残した。ただ、これまでのNHKからフリーになった女子アナセオリーから見てみると、逆風が吹く気配も否めない。

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