1日30秒で絶大な効果が! 医師が提唱する「ドクターズスクワット」とは? 「生活習慣病、腰痛が改善」

ドクター新潮 ライフ

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1日1セットでも

 また、立った状態から腰を落として再び立ち上がるという一般的なスクワットの動作では、本人にそのつもりがなくても、筋肉には反動をつけて伸び上がろうとする「伸張反射」という現象が起きています。伸張反射は立った状態からしゃがみ込んで反動をつけてジャンプするのと同じで、勢いをつけることはできますが、その分、筋肉や腱、骨には瞬間的に大きな負担がかかってしまいます。一方、ドクターズスクワットはしゃがみ込んだ体勢からスタートしますので伸張反射は起こりませんし、しゃがんだ状態と立った状態の2回、休憩ポイントがありますから、かなり“楽”に感じられると思います。

 ただ、ドクターズスクワットでも、回数をこなそうとがむしゃらに上下運動を繰り返してしまうと、一般的なスクワットと同じ動きになってしまいます。従って、毎回、腰を落としたところで一呼吸おいて、「立ち上がる」という動作をしっかり意識してください。

 また、仮に30秒間のスクワットが簡単にできる人でも、30秒以上続けると大抵、姿勢が崩れてしまいます。そのため、ドクターズスクワットは「30秒以上続けてはいけない」と覚えておいてください。もちろん「1回30秒」を守れば、1日に何セット繰り返しても構いません。1回で十分負荷を感じられる人は1日1セットでいいですし、余裕のある方は休憩をはさんで繰り返せば大きな効果が期待できます。

痛みが緩和

 リズミカルに上下運動を行えば、30秒間で10回ほどスクワットができると思います。ただ30秒で10回というのはあくまでも目安。回数をこなすことが目的になってしまうと必ず姿勢が崩れますから、回数はあまり気にしなくても大丈夫です。

 ドクターズスクワットはけがの心配も少なく安全・安心ではありますが、持病のある方など注意が必要な場合もあります。

 例えば、いきんで筋肉に力を入れる動作を行うと、一時的に血圧が上昇します。従って高血圧の方が一般的なスクワットを行うのは危険。血圧が心配な方は、ドクターズスクワットの中でも、イスに座ってテーブルに前腕部を置き、体を支えるテーブルスクワットがいいでしょう。ただし、スクワットの前に必ず血圧を測定し、最高血圧が160mmHg以上あったら、始めてよいか医師に相談してから行うようにしてください。

 また、膝痛や腰痛の方もテーブルスクワットがオススメ。痛みがあるからといって運動をしないと、筋力がさらに低下して痛みが慢性化してしまいます。通院中の方は医師に相談の上で行っていただきたいのですが、ドクターズスクワットで鍛えることで痛みが緩和されるのを実感できると思います。

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