1日30秒で絶大な効果が! 医師が提唱する「ドクターズスクワット」とは? 「生活習慣病、腰痛が改善」

ドクター新潮 ライフ

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毎年5万人が運動不足が原因で死亡

 運動不足を実感している人は多い一方、運動不足ですぐに目立った体調の変化が起こることもないため、運動不足を深刻に考えている人はほとんどいないのではないでしょうか。ところが、運動不足を軽視するのは、実は大変に危険なことなのです。

 少し前のデータになりますが、2007年の日本国内の死亡者を分析した研究では、死亡の危険因子として運動不足は喫煙、高血圧に次いで第3位。毎年5万人もの人が、運動不足がもとで亡くなっているというのです。運動不足によって引き起こされる病気は、具体的には循環器疾患やがん、糖尿病など。これらは脂質異常、高血糖、高血圧、肥満が直接の原因ですが、その一因になっているのが運動不足というわけです。

 そして運動不足と体の不調を結び付けているのが、筋肉の衰えです。運動不足になると筋力が低下し、筋肉の量や質も低下。これによってさまざまな体の不調が引き起こされ、重篤な病気につながってしまいます。

 でも安心してください。筋肉の衰えで体の不調が起こるということは、筋肉を鍛えることで体の不調が改善する可能性があるということ。例えば膝や腰の痛みは筋トレで症状が出にくくなりますし、生活習慣病の高血圧や糖尿病、脂質異常症なども運動をするだけでみるみる数値が良くなることが多いのです。

ウォーキングの限界

 中には運動不足の解消のためにウォーキングをしている方もおられるでしょう。ウォーキングは有酸素運動の一種で、体脂肪や内臓脂肪を燃焼させるのにはもってこいの運動です。ただ、筋肉への刺激という点ではあまり効果はありません。その点、スクワットでは膝を伸ばしたり脚を持ち上げたりするときに使う「大腿四頭筋」、膝を曲げるときに使う「ハムストリングス」、下半身の動きの安定性を保つ「臀筋」や体のバランスを保つ体幹の筋肉である「脊柱起立筋」など大きな筋肉が鍛えられます。しかも全身の筋肉の約7割は下半身に集中していますから、スクワットを行うことで効率よく筋肉量を増やすことができるのです。

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