甲子園で延長25回を投げた伝説の投手「吉田正男」 偉業のウラにあった“人生最大の衝撃”(小林信也)

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 戦前の1931(昭和6)年、夏の甲子園優勝は初出場の中京商(愛知)だった。決勝で嘉義農林(台湾)を6安打完封した中京商のエース吉田正男にとってこれは中等学校野球生活の序曲に過ぎなかった。

 翌32年夏、連続出場した中京商はまた決勝に進んだ。相手は同年春優勝の松山商(愛媛)。延長11回、4対3でサヨナラ勝ちし2連覇。吉田は一人で投げ切り、6安打3失点。前年に続き優勝投手となった。だが、悔しさもあった。9回表、3対0とリードをもらいながら、内野エラーをきっかけに痛打を浴び、3点を献上し延長に入った。...

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