「マツケンサンバのハッピーまちがいさがし」撮影現場で見せた、松平健のプロ意識 「待ち時間でも決して座らず…」

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マツケンサンバ×間違い探しは脳活に“最強の組み合わせ”

 撮影に臨む姿勢は至ってまじめな松平さんだが、本書は“マツケンの日常”を描いただけあって、どのシーンも「明るさ」や「楽しさ」、そして「愛らしさ」にあふれている。そして、このポジティブ要素の詰め合わせとも言えるマツケンサンバの世界は、間違い探しと組み合わせることで、脳の成長を大きく促すことにもつながるという。

「本書を作るにあたり、脳内科医の加藤俊徳先生に解説をお願いしました。加藤先生いわく、“記憶力の向上や物忘れの改善には、好奇心を刺激することが大切。好奇心は脳の働きを良くするだけでなく、幸福感もアップさせます”と。そして老若男女から人気、すなわち、どんな人にとっても刺激的なコンテンツであるマツケンサンバは、“好奇心を刺激する”存在として最適なんだそうです。脳のトレーニングは、楽しく持続的に行えることもポイントであるため、その点においても“間違い探し”と“マツケンサンバ”の組み合わせは最強なのでは、とお話しいただきました」

 本書に掲載の写真にはどれも意欲を湧かせる要素があるため、最初はじっくり眺めることから始めるといいという。また、間違い探しは1度きりで終わらず、2度、3度と行うのがベター。再挑戦する際には正誤の写真を見比べず、記憶を頼りに正解を導くことで、初回以上に記憶系の神経細胞のはたらきを伸ばすことができるとのこと。

「マツケンサンバが好奇心の刺激に最適だと言われるのは、マツケン、つまり松平さん自身が、好奇心にあふれているからではないかと思っています。松平さんはこれまで、幅広くさまざまなことに挑戦されてきましたよね。『マツケンサンバ』シリーズもそのうちのひとつでしょうし、全力で歌って、踊って、演じるのはもちろんのこと、多くの企業とタッグを組んで面白グッズを作ってみたり、コラボカフェのメニューを自ら考えてみたり、漫画『マツケンクエスト~異世界召喚されたマツケン、サンバで魔王を成敗致す~』(秋田書店)では、異世界にワープしてみたり……。そういった松平さんのアグレッシブな活動の数々は、撮影シーンにも反映しているんです」

マツケンサンバは「希望を与えてくれる存在」。今作、次作にかける思いとは

 さらに、山口さんは、現代においてマツケンサンバが広く支持されている理由を、幕末に起こった民衆運動「ええじゃないか」(※)になぞらえて考察する。

(※ 民衆が仮装するなどして囃子言葉の「ええじゃないか」等を連呼し、集団で町を練り歩きながら熱狂的に踊ったとされる騒動。一般的に、混乱が続いていた世の中の立て直しを訴える運動であったと解釈されている)

「『ええじゃないか』の“いいからとにかく踊ろう”みたいな空気って、個人的にはマツケンサンバと近しいものを感じるんです。現代も、もう長らく景気が悪くて、暗いニュースも多くて……。そんな中で、マツケンサンバの絶対的な楽しさというか、光り輝いて浮かれ騒ぐさまは、人々の気持ちを明るくし、希望を与えてくれるものなんだろうなと。加藤先生も、マツケンサンバが求められるのは、多くの人がひそかに抱いている“半歩先の欲求”をかなえてくれるような存在だからでは、とおっしゃっていました。やっぱり人間は、キラキラした世界に惹かれるんですね。

 アニメや漫画においては、そういう世界も珍しくないのでしょうが、三次元に限ると、マツケンサンバは唯一無二のジャンルのエンタメであり、それが時代を越えて国民的スターであるゆえんなのかもしれません」

 そんな“生けるエンタメ”である松平さんは、本書の発表会見で「脳活にいいというお医者様からのご意見もありましたし、本当にもう、世代問わず楽しんでいただける本ではないかと思います」 と自信をのぞかせた。

 山口さんも、「ひとりでも十分楽しんでいただけますが、ご家族やご友人と一緒に遊んでいただくのも、おススメです。 特に、親子三世代で手に取っていただけたら嬉しいですね。夏休みに帰省するタイミングでおじいちゃんやおばあちゃんとお孫さんでやってみたり。また、ご高齢の親御さんに、お子さんから本書をプレゼントしていただくことも多いようです。まだまだ暑い日々が続きますから、ぜひ、おうち時間の充実に役立てていただけましたら幸いです」と語る。

 最後に、もしまたマツケンサンバとコラボするなら、どんな企画をやってみたいか尋ねると、

「実は、本書でまだ触れていない秘密があるんです。それが、マツケンの家族構成。奥様はいるのか、子どもはいるのか……。いずれ、書籍で、オープンにできたらと思っています!」

 なんと、マツケンを射止めたセニョリータまで明かされる日が来るやもしれぬとは。どこまでも奥が深いマツケンサンバの世界に、我々は今後もどっぷり浸ることになりそうだ。オレ!!

【INFORMATION】
『マツケンサンバのハッピーまちがいさがし』(松平健著/幻冬舎刊)
定価:1700円+税
A4オールカラー/80頁
《特典》人生は間違いさがしのようなものシール 封入

(取材・文/篠宮 明里)

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前編】では、他に類を見ない「マツケンサンバのハッピーまちがいさがし」が誕生するに至った経緯などについて、詳しく紹介しています。

松平 健(まつだいら・けん)
1953年11月28日生まれ、愛知県出身。’75年にドラマ『座頭市物語 心中あいや節』でデビュー。’78年にドラマ『暴れん坊将軍』の徳川吉宗役に抜擢され、大ブレイク。同シリーズは12作を重ね、放送終了後も人気を誇る。『利家とまつ』『鎌倉殿の13人』などの大河ドラマにも出演。また、’04年にCDを発売した「マツケンサンバII」で紅白歌合戦の出場を果たし、日本レコード大賞特別賞を受賞。令和に入りマツケンサンバは改めて幅広い年代から支持され、第2次ブームを起こしている。

デイリー新潮編集部

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