“奔放すぎる妻”が次々に若い男と「恋仲」に…文豪・武者小路実篤の理想郷「新しき村」で女たちが織り成した“複雑な人間関係”
武者小路実篤といえば、「仲よき事は美しき哉」の言葉を添えた静物画。「長編小説から短い詩まで、生涯に6300篇を超える作品がある」(武者小路実篤記念館)という実篤だが、実は文芸作品以外にも残したものがあった。万人が調和して暮らす理想郷、「新しき村」である。1918年に宮崎県児湯郡で開村したが、ダム建設の影響で1939年に大部分が埼玉県入間郡に移転。戦争を経て現在まで続くその過程には紆余曲折があった。
ジャーナリストの菊地正憲氏は2006年、村民が20数名に減少していた村を取材。...