「160キロ超え」も夢ではない! 健大高崎の剛腕「石垣元気」が夏の甲子園で見せたポテンシャルと課題

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石垣とバッテリーを組む箱山捕手に尋ねると

 なぜ、空振りを奪えないのか―。石垣とバッテリーを組んでいる、プロ注目の捕手、箱山遥人(3年)に理由を聞くと、こんな答えが返ってきた。

「ストレートの質は、石垣にとっての課題だと思います。身長(178cm)もそんなに大きくないですし、リーチもそんなに長くはない。長身のピッチャーと比べると、どうしても(相手打者の)体感のスピードが、数字(球速)ほど速くないというのはあります。もっとしっかり(左足を)踏み込んで、リリースポイントを打者に近いところにできるようになれば、もっと凄いボールが来るんじゃないかと思います」

 箱山が指摘するように、石垣のフォームを三塁側のスタンドから見ると、体重が左足に乗り切っておらず、下半身の粘り強さが不足しているようだ。また、ネット裏から変化球の球筋を確認したところ、スライダーとフォークの曲がりが早いように見えた。これも下半身の使い方に原因がありそうだ。

 健大高崎は2回戦で智弁学園(奈良)と対戦する。“新怪物候補”の石垣が、今大会でどんなピッチングを見せてくれるのか。今後も細かくチェックしていきたい。

西尾典文(にしお・のりふみ)
野球ライター。愛知県出身。1979年生まれ。筑波大学大学院で野球の動作解析について研究。主に高校野球、大学野球、社会人野球を中心に年間300試合以上を現場で取材し、執筆活動を行う。ドラフト情報を研究する団体「プロアマ野球研究所(PABBlab)」主任研究員。

デイリー新潮編集部

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