【パリ五輪】「情報番組」戦争は「羽鳥慎一モーニングショー」の圧勝 “人気俳優に卓球通のピン芸人”…「異色すぎる解説者の人選がハマっていた」

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「モーニングショー」独自の人選

「7月28日放送の『サンデーモーニング』(TBS)の解説でした。柔道男子60kg級で銅メダルを獲得した永山竜樹 選手が、準々決勝でスペインのフランシスコ・ガリゴス 選手の寝技に耐える中、主審から『待て』がかかったもののガリゴス選手は寝技をやめず、締め技が決まり一本の判定に。永山選手が抗議の意思を示すも判定は覆らなかった“疑惑の判定”については、国内でも批判の声が少なくありませんでした。谷はその解説を求められたものの、今ひとつ歯切れが悪かった。国民的な元柔道家である谷の解説にガッカリした視聴者は少なくなかったと思います。もっとも『サンデーモーニング』での解説は、他の番組とは違って柔道の特集コーナーではなく尺も短かった。さらに“誤審疑惑”という微妙な内容だったこともあり、奥歯に物が挟まったような解説になってしまったのは仕方がないと思います」

 ところが、翌日の「大下容子ワイド!スクランブル」(テレ朝)に出演した谷は、柔道男子66kg級で金メダルを獲得した阿部一二三 選手の解説で、佐々木亮太 アナを投げ飛ばすという熱の入り様だった。

「元五輪選手であっても、番組での起用の仕方によって内容も変わってきます。その点、同じテレ朝の『モーニングショー』は、解説者の人選が他局とは違っていました。バスケットボールは俳優の満島真之介(35)、卓球はピン芸人のパーマ大佐(30 )、体操は池谷幸雄(53)、バレーボールは川合俊一(61)という人選は、他の番組ではマネのできないものでした」

 確かに満島と「一体誰?」と思わせたパーマ大佐は意外な人選だった。だが、池谷は92年バルセロナの銀メダリストであり、川合は80年代のバレー人気の立役者である。

話題性でも成功

「他局の若いスタッフは、彼らの現役時代はもちろん、その面白さ、タレント力も知らないので、オファーする発想すらなかったのでしょう。その結果、4人の解説者がそれぞれ面白くて興味のわく解説をし、『モーニングショー』は独自のカラーを打ち出せたのです」

 満島の解説は松岡修造 に勝るとも劣らぬハイテンションで、バスケへの熱い愛を丸出しにした。

 パーマ大佐は国内外の卓球の試合を年間で数百試合も観戦するという“卓球観戦マニア”で、丁寧な言葉遣いとわかりやすさで独自の解説を行った。

 さらに、7月29日に登場した池谷は、後に個人総合などで金メダルを獲得する岡慎之助選手を“日本の救世主”と称え、「着地後に脚の位置を直したときに両踵がくっつかないと減点」といった専門的な解説を入れつつ、翌日の団体戦について「前半リード、中盤逆転されて、最後逆転」と予想した。実際、その通りとなり、見事、日本代表が金メダルを勝ち取ると、池谷は翌日にも登場。「銀(メダル)だったら、僕、ここに来てないんで。Zoomでインタビューだけでした。それがここに来られて」とニッコニコだった。

 そして8月1日の放送では、日本バレーボール協会会長の川合が観戦した試合は負けない“不敗伝説”を紹介しつつ、羽鳥慎一アナが「決勝まで帰ってこないことを祈る」と言っていたのはフリだったのか。5日に出演した川合に対し、開口一番「なんで帰って来ちゃったんですか!」とツッコむなど、バラエティ要素も楽しめた。

「8月8日の放送では、陸上・槍投げの解説に俳優の照英(50)を呼びました。『なぜ彼が?』と思ったら、大学時代に国体で準優勝した腕前だそうです。それだけに試合中の裏話など選手でなければわからないエピソードが満載で楽しめました。彼らの解説はネット記事になることも多く、話題性という面でも成功したと言っていいでしょう。また、普段は金曜レギュラーの長嶋一茂も五輪期間中は曜日の垣根を越えて連日出演するなど、ついつい見入ってしまう五輪コーナーとなっていました。『モーニングショー』独自の人選は大会終了まで続くのか、業界でも注目されています」

デイリー新潮編集部

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