卓球女子団体が決勝進出! 「卓球の能力は普通だった」早田ひながエースに上り詰められたワケ【パリ五輪】

スポーツ

  • ブックマーク

「今の早田は理想以上」

 そう振り返る千栄子さんが「ひなは日本のトップに立つ」と思ったのは、彼女が小学校2年の時だったという。

「全日本卓球バンビの部で予選リーグは勝ち進み、決勝トーナメントではすぐに負けてしまったのですが、フォアハンドの技術が同年代ではトップだと思いました。この時の大会で優勝したのが伊藤美誠ちゃんです」

 早田は中学1年、2年の時に全国中学校卓球大会(全中)で優勝している。

「この時には美誠ちゃんに勝っていました。そして中2の時にご両親から“ひながオリンピックに出られるよう、お願いします”と言われたのです」(同)

 眞行さんはこう語る。

「中2で全中で優勝した時、私はベンチにいましたが、“この子は今から本気でやらないと伊藤美誠や平野美宇に追い付けない”と思ったんです。優勝しているわけですから力はあるのですが、伊藤も平野もすでに海外遠征に行っていた。当時、早田は海外遠征に行っていませんでしたから」

 早田が中学3年の時、石田夫妻の三男の大輔さんが専属コーチになった。

「私は早田を“中国選手に勝てるドライブマンに育てよう”と決めていましたが、今の早田は私が目指した理想以上です。油断するといけないので本人には言いませんが、“よくここまで仕上がったなあ”と大輔とは話しています」(同)

 集大成となる今回の五輪、“理想以上”の見事なプレーを見せてくれた。

週刊新潮 2024年8月8日号掲載

特集「『パリの憂鬱』から『歓喜』へ “花の都の五輪”で凱歌をあげられるのか」より

前へ 1 2 次へ

[2/2ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。