「株価下落はむしろチャンス」 株価乱高下、新NISAビギナーに今できることとは
米国の大統領選挙戦も山場を迎えた。候補者らの一挙一動は日本経済に多大な影響を及ぼすことになるが、そんな中で先頃、日経平均株価が急落。8月5日には史上最大の下げ幅の4451円安となった一方、翌6日には一時、3400円以上の値上がりを記録するなど、乱高下が激しく、予断を許さない状況だ。巷には「新NISA」で悲鳴を上げている投資初心者もいよう。専門家に尋ねてみると……。
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日経平均は先月11日、終値で史上最高の4万2224円をつけていた。が、その後は下落基調に転じ、26日にかけて8営業日続落。これは2021年10月以来のことである。
「なかでも25日の終値は、前日比で一気に1285円急落。この下げ幅は過去9番目の大きさでした。ハイテク株をはじめとした米国株安や、日銀が利上げを行うという観測からドル売り円買いが進み、輸出関連株や半導体関連株が売られたのです」(経済部デスク)
この続落で、下げ幅は計4500円を超えてしまった。それでも、
「米国で26日朝に発表された個人消費支出の物価指数でインフレ鈍化が明らかになり、連邦準備制度理事会(FRB)が9月にも利下げするのではとの観測が強まりました。26日のダウ工業株平均は終値で前日比654ドル高、またハイテク株の多いナスダック総合指数も4営業日ぶりに反発するなど、主要株価指数が軒並み上昇したのです」(同)
これを受けて東京でも、
「週明け29日、日経平均が反発。半導体関連銘柄が買われるなど全面高の展開で、一時1000円以上の値上がりを見せました」(同)
国民の6分の1超がNISA口座を保有
日銀は30日から翌日にかけて金融政策決定会合を開き、またFRBも同じ日程で連邦公開市場委員会(FOMC)を開催。現在は大きく開いている両国の金利差が縮まれば円高ドル安が進行し、株価も上下するというわけだが、そうした展開に一喜一憂するのは投資のプロだけではない。政府の「貯蓄から投資へ」の呼びかけに促されて「新NISA」を始めた人々もまた、穏やかではいられまい――。
「14年に始まったNISAはこれまで、非課税期間20年で年間投資枠40万円の『つみたてNISA』と、非課税5年で年間枠120万円の『一般NISA』に大別され、併用はできませんでした。それが今年1月からは新NISAとして、年間投資枠120万円の『つみたて投資枠』と240万円の『成長投資枠』に模様替えし、ともに非課税期間は無期限。併用もでき、生涯投資枠は合計で1800万円に広がりました」(同)
金融庁によれば3月末の時点でNISAの口座数は2322万7848。政府は22年に定めた「資産所得倍増プラン」で、5年間で口座を3400万に増やす目標を掲げており、
「昨年3月末から1年間で増えた口座は約449万。今年に入り、3カ月で約186万も増えています」(同)
もはや国民の6分の1超が口座を持っている計算になるのだが、
「4月には日経平均が3万7000円台と、前月から3000円以上も値下がりしたこともあり、ネットでは『だまされた』『損切り民』といった書き込みも見られるようになりました」(同)
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