【終活企画】生前に法名をもらう帰敬式とは? わたしとあなたの大切な第一歩

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 人は誰しもひとりで生きていけるほど強くない。だからこそ、阿弥陀如来は弱さを見抜き、いつでもあなたとともにいる。そして心静かに手を合わせ、「南無阿弥陀仏」とお念仏を称えることで、いのちの尊さに気付かされる──。

 親鸞聖人によって鎌倉時代に開かれた浄土真宗。その本願寺派本山である西本願寺責任役員・執行の尾井貴童さんは、宗門の教えをこう説明する。

「様々な煩悩をかかえ、修行もままならず不十分なことしか成し得ない私たちに、阿弥陀さまはいつも寄り添い、支え、決してひとりぼっちにはせず、煩悩のあるままみな等しくお浄土への道を歩ませてくださる。それが親鸞聖人、浄土真宗の教えです」

 そして、南無阿弥陀仏を依りどころとして生きてゆく第一歩としてぜひ考えてほしいのが、帰敬式。「おかみそり」とも呼ばれるこの儀式とは、

「浄土真宗とともに生きてゆく新たな第一歩を踏み出す大切な儀式。原則として西本願寺でご住職(ご門主)が行いますが、これを授式された方には法名が授与されるのです」

 法名とは、お釈迦さまの弟子(仏弟子)として「釋」の文字をいただく名前。生き方を見つめ直す意味から、実は生前にいただくことが大切なのだという。

 浄土真宗では、わたしをいましめることなく、ありのままで浄土に迎え入れるみ仏のはたらきを「法」と呼ぶことから、「戒名」ではなく「法名」という。

 帰敬式を経て法名を受けたばかりの60 代ご夫妻に話を聞いた。

「自分が逝ってしまう前に家族のためにも受けておきたいと思い、妻の誕生日であるこの日を選びました」

「二人一緒でとても清々しい気持ちになれました」

 また、門徒総代を長年担ったり永代経懇志(20万円以上)を進納するなど宗門に貢献のあった方には、院号も授与されるという。

 生前に法名を受けること、それは人生の大切な一歩。あなたもぜひ、お考えになってみてはいかがだろう。

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