「繊細な日本料理のよう」 40代のAYUMIのダンスはどこがすごい? 見どころを親交の深い専門家が解説

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「繊細な日本料理のよう」

 ただし、そうした会場の雰囲気だけで勝ち負けが決まるわけではなく、「技術性」「多様性」「完成度」「独創性」「音楽性」という五つの審査項目が設けられている。

「Shigekixは、フリーズが得意です。フリーズを重ねることをコンボと言いますが、難度の高いフリーズコンボを音楽に乗せにいくのが彼の得意技の一つです。Hiro10の魅力は、彼自身も言っていますが、パワームーブ。そのレベルの高さは大会随一でしょう。AMIはトップロックからフリーズまでのトータルバランス、完成度が非常に高い選手です」

 そう語る石垣氏が代表選手4人の中で最も親交が深いのはAYUMIである。

「彼女は40代になっても引き続き世界のトップで、五輪でも世界の頂きを目指せるところにいる、というのが尋常ではない。ずっとずっと変わらずダンスに真摯で熱いのです」

 と、石垣氏。

「審査で特に優位性のある項目としては、多様性と独創性でしょう。AYUMIは積み重ねている歴が長いので、多様性の項目で相手選手にポイントを奪われることはあまりないんじゃないかと思います。彼女のダンスは繊細な日本料理のようで、本当に丁寧に細かいところまで隠し包丁のような仕事が施されている。それが彼女の独創性を支えているといえるでしょう」

「On Fire」を巻き起こすのは誰か。

週刊新潮 2024年8月8日号掲載

特集「『パリの憂鬱』から『歓喜』へ “花の都の五輪”で凱歌をあげられるか」より

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