ペット業界大手「ペッツファースト」が法令違反か 「出生日偽装」疑惑を専門家が覆面調査すると“驚きの実態”が
「健康に成長できない恐れが」
そもそも、幼過ぎる子犬を販売することの問題点とはどのようなものなのか。
「生後56日、8週齢以下で母犬から引き離されると、無駄ぼえやかみ癖などの問題行動が多くなったり、虚弱体質になりやすいのです。子犬は、4週齢くらいで前歯が生え始め、それが母犬の乳首に当たるので母犬がお乳を与えるのを嫌がるようになり、母乳以外の物を食べるようになります」
と、さる獣医師は言う。
「歯の状態は消化に直結しますから、あまりに幼い段階で母犬から引き離されて市場に出されると、健康に成長できない恐れがあります。食欲がなかったり、下痢を頻繁に起こすこともあります。病気がちだったり、無駄ぼえやかみ癖があったりすると、飼い主に“飼いにくい”と思われ、飼育放棄される恐れが増します」
こうしたさまざまな問題点を改善するため、2021年6月にスタートしたのが8週齢規制であるが、現実にはこのルールを守っていないブリーダー、ペットオークション企業が数多く存在することが分かっている。
(1)と(2)の子犬は8週齢に満たないのではないかという指摘に対して、ペッツファースト側はいずれも超えていると回答。さらに、同社は独自に獣医師や外部の動物病院、大学教授に診断してもらった結果を添えて、法令には違反していないと主張。ところが一方で(1)と(2)の店舗販売はいったん取りやめたといい、報じた場合は損害賠償を請求する旨を伝えてきたのである。
法令違反がないなら堂々と販売を続ければいいだけのことなのだが――。ちなみに本誌が取材した獣医師は(1)と(2)の子犬の口内の写真を見たうえで、ペッツファースト側の大学教授らの回答に強い疑問を寄せている。8月8日発売の「週刊新潮」では、「出生日偽装」の問題などと併せペット業界の闇に切り込んでいる。