環境問題の思わぬ副作用! 工業地帯で「校歌」の作り直しが続出した「深刻な事情」
校歌の歌詞には、自然の豊かさや地域をリードする産業、その土地に生きた人々の歴史がちりばめられることが多い。しかし、世の中が変わると、それまで良いことと捉えられていたことが、ネガティブな意味合いを帯びてしまうことがある。
たとえば、高度成長期、急速な工業化の代償として公害が発生した都市では、もくもくと煙突から上がる煙が、それまで経済発展のシンボルだったのに、環境汚染の元凶と考え直されるケースもあった。
東京大学名誉教授で音楽社会史を専門とする渡辺裕氏の新刊『校歌斉唱! 日本人が育んだ学校文化の謎』(新潮選書)には、その時、どのような議論がわき上がったかが書かれている。...