森口博子「アニソンは生涯の財産」 歌手に憧れた少女が「ガンダム」と出会い、不動の存在になるまで

エンタメ 芸能

  • ブックマーク

ガンダムに対する思い、アニソンに対する思い

 デビュー曲「水の星へ愛をこめて」、そして歌手としての認知を世に広めた「ETERNAL WIND」。森口の歌手人生の節目には、必ず「機動戦士ガンダム」の存在があった。ともに忘れえぬ曲だが、デビューから30年を迎えた頃に、「ETERNAL WIND」を手掛けた西脇唯に、生涯忘れえぬこんな言葉を授けられたという。

「ガンダムっていう作品はこの後もずっと続いていくであろう。そして森口さんは歌手としてずっと歌っていく人であろう。それでETERNAL(永遠に)とつけたんだ」

 この言葉は現実となり、ガンダムは今年、最初のアニメ放送開始から45周年を迎え、森口もガンダム関連の曲を折に触れて数多く歌ってきた。だからこそ、作品との出会いの重みを今になってひしひしと感じるという。

 2018年5月、ガンダムの放送40周年を記念してNHKBSプレミアムで放送された番組では、森口の2曲がガンダムソングのランキングで1位と3位にランクインした。これを受けて、2019年からアルバム「GUNDAM SONG COVERS」を3枚リリース。その全てがオリコンウィークリーで3位以内を記録した。今や、ガンダムソング関連において、森口の存在の大きさは不動のものとなっている。

 アニソンはアニメあってこその作品ではあるが、こと「ETERNAL WIND」などに関しては、「アニメ作品を見ていない人にも、それぞれの人生にリンクして届く力を持っている」と森口は言う。そして、デビュー曲を含めてそういう曲を歌ったことは「私の生涯の財産になっている」とも。

 アニソンを歌う際は「言葉をはっきり伝える」ことを大事にしている。これはレコーディングの際に「この曲は何十年経って大人になっても歌える曲だから、言葉を大事にして歌ってね」といわれたことから来ている。

 アニソンカバー曲を歌う際には、リスペクトが大事だという。名曲に出会えた喜びがあり、後世に名曲を伝えたいという熱量を持って歌う。現在、BS11で放送中のレギュラー番組「Anison Days」では300曲近くをカバーし、曲の難しさに悪戦苦闘することも多いが、「地球上にこんなにすてきなアニソンがあるんだ。感動はエンドレスですね」と語る。

オリジナルもアニソンカバーも好調

 アニソンのみならず、2019年にはオリジナルアルバム「蒼い生命」でオリコンデイリーのトップ10入り。本人はランキングにはこだわっていないと言うが、「たくさんの人に聴いてもらえている実感があってうれしいし、次の作品のモチベーションにもなる」と喜ぶ。

 もちろんアニソンでも、ガンダムから世界を広げ、あらゆるアニソンをカバーする「ANISON COVERS」を昨年5月に発売。その好評を受け、続編の「ANISON COVERS2」が8月7日に発売される。

 ギターの鳥山雄司とドラムの神保彰が参加した「想い出がいっぱい / with鳥山雄司&神保彰」(H2Oのカバー、「みゆき」のエンディングテーマ)が先行配信され話題だが、森口自身は阿木耀子の歌詞に改めて感動し、青春時代や大人になった今の心境を描いた歌詞のひとつひとつに尊さすら覚えたという。

 ももいろクローバーZの百田夏菜子とコラボレーションした「おジャ魔女カーニバル!! / with 百田夏菜子(ももいろクローバーZ)」(おジャ魔女どれみのオープニングテーマ)や、木根尚登のコラボで収めた「STILL LOVE HER(失われた風景) / with 木根尚登(TM NETWORK)」(TM NETWORKのカバー、「シティーハンター2」のエンディングテーマ)の木根のブルースハープなども聞きどころだ。

 ちなみに自身の幼少時の思い出のアニソンは「キャンディキャンディ」のエンディングテーマ「あしたがすき」(堀江美都子、ザ・チャープス)。いつかカバーズシリーズに収録されることを願いたい名曲だ。

次ページ:「#森口博子ビキニ」がSNSのトレンドに

前へ 1 2 3 4 5 次へ

[4/5ページ]

メールアドレス

利用規約を必ず確認の上、登録ボタンを押してください。