日本株大暴落、恐怖のシグナル「サームルール」が点灯していた…リーマンショックやコロナパンデミックでも早期に警告
景気後退の早期警告指標
東京株式市場で日経平均株価が、激しく乱高下して列島を揺るがせている。5日の終値は前週末に比べ4451円安の3万1458円。ブラックマンデーと呼ばれる1987年10月20日の3836円安を上回る過去最悪の下落幅に。しかし、6日は大幅反発し、一時は3400円超の値上がりとなった。
【写真】まさかの大暴落…37年前、パニックに陥った東京証券取引所の様子
経済部記者がこう指摘する。
「日銀が為替介入で円高方向への誘導を開始した直後に、FRB(米連邦準備制度理事会)のパウエル議長が雇用統計の悪化を受けて9月に利下げする可能性を示唆しました。そのため、日米の金利差が縮小し急速に円高ドル安が進行。同時に米国のリセッション(景気後退)入りが懸念され、日米の株価が暴落しました。その後、5日に発表されたアメリカの経済指標が予想を上回ったことなどから、買い戻しの動きが広がったとみられています」
金融業界に激震が走る中、ネットでは先週あたりから大暴落を知らせるあるキーワードが取りざたされていた。それは恐怖のシグナル「サームルール(Sahm Rule)」だ。
マネー誌ライターがこう振り返る。
「多くのマネー系YouTuberが、株価が多少下げても“ガチホ”(ガチでホールド=本気で保有する)と持論を展開していました。その中で、チャート分析や金融データ重視のYouTubeチャンネルでは、3、4か月前からアメリカの景気後退を知らせるシグナル『サームルーム』という言葉が現れ始めたんです。暴落直前の先週には、いくつかのチャンネルが『サームルーム点灯』『株価崩壊』『警告』などと大暴落を予想していました」
そもそも、「サームルール」とは何なのか。米現地報道によると、元FRBエコノミストのクラウディア・サーム(Claudia Sahm)が提唱した景気後退の早期警告指標。このルールは、失業率の急上昇を景気後退のシグナルとして捉えるものだ。具体的には、失業率の3か月移動平均が過去12か月の最低値から0.5%上昇した時に景気後退が示唆される、というもの。7月の失業率の上昇を受けて、指標の数値は0.53となり「サームルール」が点灯していた。
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