「阿部詩」に続いて兄「一二三」も号泣…柔道“誤審ラッシュ”で問われる「外国人審判のレベル」 1984年のロス五輪から「常に問題視されてきた」

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問題視された外国人審判

 胴着のカラー化も、「誤審を防止する」という目的があったのをご存知だろうか。今回のパリ五輪でも白と青の柔道着を着た選手が対戦した。青の柔道着は1997年の国際柔道連盟(IJF)パリ総会で正式決定したが、議論自体は80年代後半からスタートしている。

 日本は柔道着のカラー化に対しては一貫して「伝統に反する」と反対を表明していた。ところが海外の推進派は「カラー化で誤審が減る」と主張したのだ。

「今となっては主張の意味が分からない人が大半だと思います。海外を中心とする推進派は『寝技の際、白の柔道着を着た2人の選手だと、どうなっているのか審判には見分けが付きにくい』と訴えたのです。そんな審判がいるのかと驚く方も多いでしょう。ところが柔道着のカラー化問題を報じた読売新聞の記事を読むと、外国人審判の技量を疑問視していたことが分かります(註)」(同・記者)

 読売新聞が具体例として挙げたのは、《投げようとして技をかけたが、相手に押しつぶされたりして下になったケース》だ。

 誰が考えても、押しつぶして上になった選手は技をかけていないのだから、ポイントが与えられるはずがない。ところが当時は違ったという。

読売新聞の疑問

「上の選手は技をかけたわけではないのでポイントにはならないはずです。ところが、当時の外国人審判は勘違いして、上の選手にポイントを与えることが多かったというのです。読売新聞はカラー柔道着で誤審が減るという主張に疑問を呈し、《見やすいかどうかというよりも、審判技術の問題である》と呆れたように書いています(註1)」

 第2回【柔道はなぜ「誤審ピック」に泣かされるのか…シドニーで「世紀の誤審」、ロンドンでは監督としても涙を呑んだ「篠原信一氏」の例も】では、今も語り継がれる「世紀の誤審」は外国人審判の技量不足が原因だったことや、ロンドン五輪でも誤審が相次いでいたことを詳しく報じている。

註:[ズームイン]カラー柔道着導入 「誤審」に言い訳通用しなくなる(読売新聞・1997年10月7日朝刊)

デイリー新潮編集部

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